はっぴーしぇありんぐ
夕食と風呂を済ませると侯輝と天理は帰路で盛り上りを復活させながらベッドに入り何度も混じり合い、何度目かを達していた。
きっと自覚は無いであろう天理のその姿は欲情に満ちながらも俺を愛おしそうに見る目と、行為の最中もずっと繋がれたままの手がたまらなく可愛くて、俺はつい愛しい人の奥の奥に欲望を解き放ってしまった。
天理は俺が達したのを感じ取ったのか、ビクビクと震えた後、満足気に微笑む。
「はぁっはぁっ…っ…ん…はぁっはぁっ」
「はぁっ……天理、大丈夫?そろそろ無理そう?」
俺は真っ赤な顔をし達した余韻でまだ冷めやらぬまま震えつつ息も絶え絶えの天理を抱きしめ支えつつ声をかける。
「はっ…ん、すま、ん、だい…じょばないかも、おまえ、は……まだ元気、だな」
天理は呼吸も整わずぐったりとしながら、自らに埋め込まれたままの俺がまた復活しつつある事を感じた様で苦笑していた。
「えへへ天理見てると俺、いくらでも元気になっちゃうんだよね。でもそろそろ終わりにしよっか?」
「……俺、動けなくても、いいなら、好きに、動いても」
天理を思って自重しようと思っていた。だが自分はもう限界だろうに、力の入らない足を少し広げ俺を健気に誘ってくる天理に、ただでさえしんどいのにどうして煽ってしまうのかと内心嬉しくも頭を抱えた。
「それじゃ意味ないでしょ!俺は天理と一緒に気持ち良くなりたいんだから。無理しないの。ね?」
「む……じゃ口で、する……息整えるから、ちょっと、待て」
汗で張り付いた黒髪をかき上げながら言う天理の色っぽさにドキリとした。天理が実は健気で献身的である事は知っていたがそれでも尚知れば知るほど愛おしさが増していく。
「大丈夫だからー」
「……嫌なのか?」
充分天理と交わえたし、その内治まると思っていたのに、天理は息を整えながらまたむぅと不満そうな顔をする。その言い方やめろって言ったの天理じゃなかったっけ、卑怯可愛い。折角自制しようとしたのにその顔はやめて欲しい。だが天理も結構頑固だ。
「じゃあ……お願いするね」
決して天理の可愛さに負けた訳じゃないんだと内心言い訳しつつ仕方なく折れ、天理から中心を抜いた。
「ん……よし、任せろ」
天理はふふんとだが少し嬉しそうに笑うと俺の中心を口に含んでいく。
「ぅ、わぁっ……」
精射後でまだ敏感だった亀頭を吸われ舌先で尿道口をほじられるようにされ背筋にゾクゾクと電気が流れるような快感が駆け上ると思わず声が漏れる。
「うぁ、ちょ、天理、それだめ、すぐ、出ちゃうよぉ……」
「んんん(やめない)」
俺を口に含み悪戯っぽく目を細める姿が艶かしい。俺の反応に気を良くしたのか楽しそうだ。恥ずかしがりの癖にこういう時だけは大胆になるのずるいと思う。ただでさえ大好きな人が愛おしそうに丁寧に、もう知り尽くされた俺の弱い所を攻めてくるので一溜りもない。
「あっ、ダメ、ほんと、出ちゃう、離してっ」
「んん(出せ)」
「あっ、天っ、ああぁっーー!!」
とどめとばかりに喉奥を萎める様に吸い上げられ、我慢できずそのまま吐き出してしまった。「吐き出して」と言う前にゴクリという音とともに嚥下されてしまう。どこか恍惚としていてその嬉しそうな表情に胸が高鳴り恥ずかしさを覚えた。
「ごめっ、出しちゃった……」
「ふぅ……ん、いい。そうさせた様なもんだし。……なんだ?珍しく照れて」
天理は顔を上げると俺を見てクスリと笑っていた。俺を満足させられて嬉しいのか表情がまた一変、今度は楽しげでからかう様な笑顔を浮かべている。先ほどまで散々俺の下で鳴き喘ぎ身体中に情事の跡を残しているのに今はこれだ。このギャップに翻弄される。本当にこの愛しい人には敵わない。そしてその全てが自分の物だと思うと堪らない幸福を感じるのだ。
「むぅーなんだか負けた気分」
「ふはっ、何だよそれ。うぉっ」
楽しそうに笑う天理を引き寄せて腕の中に閉じ込めた。もう体力の限界だったのかそれとも素直に引き込まれてくれたのか、天理は踠きもせずすんなりと腕の中に収まった。
「なんか悔しかったからぎゅうー」
「お前が俺に悔しがる事なんてないと思うがな。まあ……たまには……悪くない」
天理は俺の腕の中でくったりと大人しくされるがままになっている。天理は俺より体温が低い。熱が冷えてきたのかひんやりとしている肌が心地良い。
「ん…そんな事したら…眠ちまうぞ…俺」
「んーん。付き合ってくれてありがとね。おやすみ天理」
「ん…いつも…先に寝てごめんな…夢でも…会えりゃいいのに…な……」
うつらうつらと瞼が落ちかけている天理を抱きしめていると程なくして天理は眠りにつく。やはり少し無理をしていたのだろう。そのまま穏やかな表情ですうすうと寝息を立て始めた。
「おやすみ、天理。そうだね。夢の世界でも一緒に居られたら良いのに……」
そう言いながら髪を撫で、額にキスを落とす。夢の中でも共に在りたいと思ってくれる程に想われている事が何より嬉しい。
「俺も、会いに行くよ。待ってて……」
きっと天理は寂しくても我慢してしまうだろうから、俺が会いに行かなければ。俺は腕の中で眠る天理の匂いを吸いながら夢の中の天理を追いかけるように意識を手放した。