13.二人で通る通過点
「いっぱいいっぱい愛し合おうね♡」
それから一呼吸つくと、まだまだやる気満々の侯輝が幸せいっぱい元気いっぱいの笑みで次は俺の番とばかりに覆い被さって来た。
結果を要約すると俺も今日という日は精根尽きるまで愛し合いたいと思っていたので受けて立った。だが先ほどの俺なりに頑張った騎乗位はウォーミングアップでしかなかったらしく、侯輝に心身共に全力で愛されるとはどういう事なのかを心身共に思い知らされた。大好き、幸せだ、離さない、食らい尽くしたい、愛してる、愛してる、愛してる。言葉と体全てでそう訴えられるともう胸がいっぱいで気持ちいいやら嬉しいやら、返し切れない想いでまた泣きつくして意識が途絶え、結婚式の1日は終えた。
ベッドの上で侯輝に組敷かれ、俺達は一心同体なのだとばかりに抜かれる事が無いソレで俺はもう吐き出す事無く後ろだけで何度も震えていた。愛情と快楽を素直に表し恍惚とした表情で俺を見下ろす侯輝をぼんやりとしてきた頭で見上げる。頭が、心が、体が想いが溢れていっぱいでふわふわする。
侯輝、この想いを…ちゃんと伝えたいんだ…
「ん…?」
大好きだ…愛してる…お前に愛して貰えて結婚できて、どれだけ嬉しいか、幸せか…
「俺も幸せだよ♡今日はありがとね、天理」
良かった…ふふ、お前のハグ、温かくて心地いい…いつも照れてしまうけど、ほんとは大好きだ。いつも恥ずかしくて、お前に勇気貰って、やっと想いを伝えられてるんだ。もう心ごと渡してしまいたい。勝手に読んどけなんて言ったらまた怒るか?ああでもそれで嫌われたら嫌だな…
「えへへ…♡俺はとっても嬉しいよ」
侯輝、顔赤い、可愛いな。もしかして俺また凄い事になってるのか?恥ずかしい…でも俺がそうさせてるなら悪くないか…
「…天理?」
まだお前にドキドキするんだ。バレると恥ずかしいからやっぱり心渡すのは無し。はは。
あ…お前がまた元気になった…嬉しい。侯輝、首まで真っ赤だ、震えてる、我慢してるのか?我慢しないで愛してくれ、恥ずかしいけど腰だけちょっと動かしてみようか…
「っっ!!違う。天理、多分思ってる事喋っちゃってるってば!」
どうした?珍しく照れてる侯輝、可愛いなぁ…ふふ。
「だから!天理の俺大好きな思考とか感情がダダ漏れなんだってば!」
…俺の気持ち伝わってるのか、嬉しいなぁ。
「ぁあもう!その笑顔反則だよぉ…嬉しいけど大丈夫かな?天理?」
手ヒラヒラさせなくてもお前の事ちゃんと見えてるぞ?あと笑顔ならお前のがカッコいいぞ。大好きだ。
「えへへー♡……ねえねえ天理、今どんな気持ち?」
今…?お前と繋がれている事が嬉しくてたまらないな…気持ちいいし。
「俺も同じだよ♡えへへ♡天理正直だし見てたら分かるけどいつも照れちゃうから嬉しいな。俺への好きも、もっと聞かせて?」
はにかんで笑う侯輝の顔も可愛いくて好きだ。金髪も綺麗で好きだな。キラキラしててお前みたいだ。
「えへへ♡そ、そんなにかな?」
お前の事太陽みたいだって言っただろ…俺嘘言わないぞ…キラキラだぞ。珍しいな…いつも自信たっぷりのお前がそんなに照れるの。可愛い。
「えへへへ♡天理に言われると嬉しすぎちゃうんだよね」
あとこのツーブロックの髪も、この感触が二度おいしい…気持ちいい。お前撫でるの大好きだ…もっと撫でたい。
「うひゃ!項くすぐったいよぉ」
可愛いなぁ…でも利発で気も利くし何でもできて凄く勇敢でかっこいい。こんな男が俺の伴侶なんだって思うと誇らしい…お前に見合う男でいたいんだ…
「ありがと。天理はね、俺のとびきりの自慢なんだよ。聡明でかっこよくて優しい。何に変えても守りたいと思うのは天理だけだからね」
お前にそう言って貰えると嬉しい。でも守られてばっかりの存在だとは思ってて欲しくないな…。俺だってお前の笑顔を守りたい…
「俺は天理が隣に居てくれるだけで十分幸せだから無理しないでね。天理、時々俺よりずっと無理するから」
ありがとう、わかっているつもりだけど心配なんだ…
「大丈夫、ちゃんと分かってるから。俺も天理に何かあったら嫌だもん。お互い様だよね」
ああ、お互いに守り合っていこう。そしてずっと傍にいて欲しい…
「俺もだよ天理。これからもずっと一緒だよ」
ああ、本当に良かった。嬉しいなお前と一緒になれて幸せだ…
「ああ泣かないで…俺もすごい幸せだよ。ありがと天理。俺と一緒に生きててくれて」
こちらこそ、俺を愛してくれて、ありがとう。ああ抱きしめて、キスしたい…
「うん、俺も!大好き天理♡」
ん…ああ落ち着く…キス気持ちいい…あと下も動いて欲しいな。よし、たまにはちゃんと言うぞ
「ん、動くね♡」
ああっ…♡気持ちいい…♡ああ♡その眼も好き♡だ…俺を抱く♡時の…開き♡きって金色♡になる瞳…あ♡ガン見してく♡るお前も好き♡だ…
「俺も…天理の濡れたヘーゼルの瞳も…愛してるよっ言ってるみたいで…大好きだよ♡」
んっ…♡俺は…なんか食われ♡そうでゾクゾクする…お前♡なら食われてもい、んっ♡!今、凄く大きく。どうした?動いてくれ侯輝…
「うそでしょ…はぁ…そんな事思ってたんだ天理、うん、守りたいけど、食べちゃいたいのもホント。ごめんね、ちょっと激しくなるかも」
「全部、食べさせて?♡」
「あああっ!!♡♡」
途端、後ろを晒すように脚を大きく広げられ、上から突き刺されるように深く突かれる。意識が曖昧になっていた俺に、あられもなく嬌声をあげていた事を考える余裕はもう無かった。もう何度果てたかわからない程なのに、まだ足りないと身体が求めているみたいに奥まで届いて、頭が真っ白になる様な快感が押し寄せてくる。
俺をベッドに縫い付ける、侯輝のいつにない金色の瞳。その瞳の奥の深い闇が金色を一層美しくさせて見え、背筋にぞくりとしたものが走ると全てを投げ出したい程に心奪われた。
もっと激しく奥まで突け、滅茶苦茶にして、壊すくらいに抱いてくれ、お前の事しか考えられないように、喰らい尽くせ。
俺を全部くれやるから、お前も全部寄越せ。
「気持っ♡いっ♡もっ♡めっ♡だっ♡せっ♡」
俺の想いはまた届いたのだろうか、侯輝は瞳をまた一段輝かさせるとガツンと強く穿ち、目の前に星が飛ぶ。
何もかも支配されている中で、唯一自分に差し出されている侯輝の急所を搾り取らんとなけなしの体力で腰を動かし、もっと食わせろと強く締め付けてやる。侯輝は眉を潜めて獣の様な声で喘ぎ、牙を剥く様に口角を上げ笑うと更に強く穿たれた。
「あ¨あ¨っ!♡天理♡天理♡!」
ああそうだ。骨の髄まで残さず食い散らかせ。
堪らない、普段太陽の様な男が自分だけに見せるこの表情も愛しくて仕方がない。俺は今最高に幸せだ。全部愛してるよ侯輝。
「あっ♡あー♡!侯♡侯輝♡全っ♡愛し♡侯♡侯♡♡侯♡♡侯♡♡!」
「あ¨あっ♡あ¨あっ♡あ¨あっ♡!愛してる♡天理♡天理♡天理♡!」
互いの嬌声と荒い息遣いが入り混じり脳を溶かし、汗は媚薬となって体を溶かしていく。快楽と愛と、幸福感で心も身体も満された。
「侯輝♡イッ♡あっあ♡!あああっ~♡♡♡!!」
「っぐ!ぅあ”あ……っ!♡♡」
その獣の様な猛烈な交わり合いの果てに俺はまた頭が真っ白になるかと思う程の快楽に襲われまた果てた。侯輝のソレはビクビクと熱を放ちながらも収まっておらず余韻に震える俺をソコに在るだけで刺激していた。
「…っは♡あ♡あ♡気持ち♡い…♡は…♡は…♡あ…♡」
「はーっ♡はーっ♡はーっ♡天理…♡天理…♡」
「ん……♡……♡♡♡…侯?あっ♡待っ♡まだ♡イッ♡あっ♡」
愛おしそうに俺の名を呼びながらグリグリと腰を押し付ける侯輝に、頭の隅で今度こそ限界だと思いながら余韻に浸っていると、それはまだ限界ではない事を思い知らされる。侯輝は荒い息を一息つく間もなく再び激しく攻め立てはじめたのだ。達したばかりの体に強すぎる刺激で、目の前がチカチカと明滅する。
「ひっ♡止まっ、ダメっ♡だっやめっ♡あ♡またっ♡やだ♡やっ♡くる♡、怖い、侯♡侯輝♡助♡ああっ♡ああっ♡」
激しい未知の快楽に恐怖を感じた俺は泣きながら首を激しく振り、汗に濡れた髪を乱し、助けを求めた。
「あ¨あっ♡もっと♡もっと♡見せて♡お願い♡天理♡天理♡♡天理ぃ♡♡」
だが侯輝は止まる事無く、容赦無く俺を更なる限界へと突き進ませる。刹那涙に滲む先に見えた侯輝の闇を纏う金の瞳孔は開き切り、恍惚とした表情で正気を失ったのかと見紛う程だった。だが、その声音と瞳の最奥に沈む闇が懇願しているのは、紛れもなく俺に対しての慈愛と愛情。
ーーどうか俺の全てを愛して。
聞こえるはずの無い声が、聞こえた気がした。
「天理♡大好き♡」
「っ……♡♡!♡♡♡」
俺はそんな侯輝に恐怖を感じるどころか、愛しく、歓喜する程に完全に侯輝に溶けていた。
未知の快楽と恐怖を与えてくる男が同時に与えてくる一筋の、でも力強い愛情に必死にすがり付きながら限界を超える覚悟を決める。でもやっぱり怖いんだと手を彷徨わせると力強く、そしてどこか縋る様に捕まえられ指を絡められ俺は共に超えようとぎゅうと握り返す。俺は強すぎる快楽にイヤイヤと逃げを打つ己の身体をその手の繋がりでその身に受け入れ、この愛に溺れる覚悟をもう一度固めると、侯輝の動きに合わせて腰を揺らした。
「あ♡あっ♡っんは♡あ、愛してる♡♡侯輝♡♡♡」
俺がそう応えると俺のナカの熱い雄が歓喜に震え更に大きさを増し、最奥を強く穿つ。その動きは侯輝の想いの大きさの様に思えて俺は言い様のない幸福感に包まれた瞬間、呑まれていった。
「侯♡侯♡侯っ♡アァッ♡♡♡ンンゥウウウウッ♡♡♡♡♡!!!」
「天理♡天理♡あ¨あ♡♡っっあ¨あああ♡♡♡♡♡!!!」
俺はガクガクと震え、触れる事無く踊っていた俺の雄からプシャッと透明な液体が吹き出し俺の腹を濡らす。侯輝はその声音だけで達した俺を更に震わせる様に吠えると最奥に熱い飛沫を叩きつけた。
「天、理♡天、理♡天理…♡」
「ヒッ♡アっ♡あぁ…♡んぅ……♡」
侯輝は全身びしょびしょにして泣きながらビクビクと痙攣する俺の身体を強く強く抱き締め、息を荒らげながらも俺の名を呼び続ける。俺はその熱と声に溺れる。俺の全てが侯輝への愛だけになっていた。
「こうき♡こうき…♡こうき……♡」
「てんり…♡てんり…♡あいしてるよ…♡」
俺は侯輝の愛おしそうな声を聞きながらそのまま気を失う様に眠りについた。
ぼんやりと目を覚ますと隣で侯輝がむにゃむにゃと寝息を立てていた。家の物より上質なベッドの感触と広々とした天井でここがホテルで昨夜が新婚初夜だったと思い出す。部屋はカーテン越しにも明るく日はとうに登っていそうだ。もう全く記憶に無いが侯輝が俺にナイトガウンだけは着させてくれていた。
頭の中に昨晩の記憶がどんどん鮮明になってきた。侯輝の甘い声、請い焦がれる表情、力強い感触、酩酊させる匂い、全開で叩きつけられた欲と想い全て。そしてそれに身も心も全てさらけ出し全力で応えた俺。全身が熱くなる。
全部喋ってたし、あまつさえ漏らし…た?死ぬ。
「ぅわぁ!っ!ゲホッゲホッ!」
恥ずかしさのあまり頭を抱えて叫ぼうとしたら、声も掠れてろくに出ない。恥ずかしくて身を捩ろうにも体が、主に腰が重くてダル過ぎる。咳をしながらじたもたしていると侯輝が目を覚ました。
「大丈夫?!」
侯輝は野営さながらに素早く起床し水差しを取りに行くと、少し大袈裟な位心配そうな顔しながら俺の体を抱き起こし、慎重に水を飲ませてくれた。
「ん…ありがと、な」
まだ掠れる声で礼を言い、落ち着いたところでまた恥ずかしさがぶり返してきた。顔が熱い。穴があったら入りたい。だが不安そうな侯輝から逃げてはいけないと思い、大丈夫だと伝える様に俺を支える手をそっと擦ると侯輝はホッとした様に表情を緩めた。
「んーん。体辛いでしょ、無理させてごめんね…俺、想いも体も全然止められなかった」
侯輝は叱られた時の様にしょぼんとしながら俺のまだ少し赤いだろう目元を労るように触れる。優しく撫でられるとほんのり冷たくて心地よい。
「ん…いい。お前に本気で愛して貰えてたなら、嬉しい。まあ、ちょっと体はキツかったけど、気持ちよかったし、な?」
何者も恐れない侯輝だったが時折、自身の闇が制御できず俺を傷つけてしまう事を恐れているようだったから、俺はお前の全てが嬉しかったのだという気持ちだけははっきりと伝えた。安心させる為に少しおどけてみせようともして、やっぱり恥ずかしくて最後の方は小声になってしまったが。それでも侯輝は少し顔を紅くしぱぁっと顔を輝かせると嬉しそうに俺を抱き締めた。
「ありがと!ありがとね、天理」
俺は抱き締め返すと改めてその幸せそうなその笑顔を生涯護ろうと誓った。
ギリギリ朝食の時間には間に合いそうだったが急いで食堂には行けそうになかったのでルームサービスを呼び部屋で朝食をとる事にした。シャワーを浴び元の私服に着替えると昨晩同様見晴らしの良い窓際の席につく。すっかりご機嫌に戻り、運ばれてきた香ばしくフワトロのフレンチトーストを頬張りながらニコニコと話す侯輝の笑顔は、晴れ渡る外の景色より眩しい。
「天理、歩いて帰れそう?抱っこしていく?♡」
「ばか。魔法で軽くしてゆっくり歩けばなんとかなる。白昼堂々抱っこされてたまるか」
まだ腰はダルい俺を気遣いそう提案する侯輝に、家まで距離があるが魔法で重力軽減すれば帰れない事は無いはずだと主張すると侯輝は不満げにぶーぶーとアヒル口をした。その顔も可愛いがダメなものはダメだ。恥ずかしい。
「ちぇー昨晩はあんなに可愛かったのに」
「っ…昨晩の俺の話はすんな、あれは俺じゃない何かだ。忘れろ」
冷静に取り繕い食事を続けようとするも、思い出すとどうしても顔が赤くなってしまうと侯輝は楽しそうにクスクスと笑った。
「えーやだよ。俺一生の思い出にするんだから。普段照れてなかなか言ってくれない天理の赤裸々な愛の言葉とか、はじめての…キャー♡」
「~~っ!チェックアウトまで時間無いんだぞ、さっさと食え!」
きゃーきゃーと一人盛り上がる侯輝を恥ずかしさを隠す様に叱りつける。恥ずかしくはあったが俺にとっても忘れられない幸せな思い出になるだろうと密かに頬を緩めて俺もまたフレンチトーストを口に運んだ。だがしっかりと気づかれていたのか、表情だけで俺も幸せだよと主張され、俺は言葉も無いのにやっぱり照れさせられていた。お互い無言でもくもくと食べているのに俺達の食卓は見えないお花畑に包まれていた。
食事を済ませると折角のスイートルームからの景色を時間ギリギリまで堪能した。チェックアウトしようとフロントに行くと請求金額に侯輝がちょっと泣きそうになっていた。請求欄を覗くと室内施設使用料に昨晩俺達が散々遊んだ魔力稼働型給湯器の操作回数分が上乗せされていた。別料金だったらしい。そういえば俺も確認してなかった事を反省しフォローする事にした。
「泣くな!その分は俺が払うから」
「ぐす……ありがと天理……。うわーんカッコ悪いぃ〜」
支払いを済ませたが、スマートに支払いたかったのだろう侯輝がまだしょんぼりしていたので追加で慰める。
「ほれこれからは二人で協力すんだろ。お前はいつもカッコいいぞ」
「うん頑張る……。ありがと天理大好き愛してる♡」
撫でてやると調子に乗って抱きついてきた。切り替えの早さに呆れているとフロントマンが生暖かい笑みで見送り始めたので慌てて重ダルい腰から何とか侯輝を引き剥がし、ホテルを後にした。
俺はまずガノを呼び俺にかかる重力軽減を頼む。そして侯輝と手を繋ぐと並んでゆっくりと都の街並みを歩いて帰路についた。腰はダルかったが心はとても満たされていた。
歩きながら自分からぶり返すのは気が引けたがどうしても昨夜の事が気になっていたので確認してみる。夜の営みの相談は早い方がきっと良いのだと自分に言い聞かせながら。
「なあ、昨晩はその、粗相して悪かったな。片付けとか…次はちゃんと我慢するからな」
「?あ!ふふっ♡」
気持ち良すぎて吐き出す代わりに漏らしてしまったことをどうか呆れないでくれと思いを込めて小声で謝罪する。侯輝は一瞬キョトンとすると愛おしそうに笑い、立ち止まると俺の耳に近づき小声で話した。
「お潮吹いちゃってた事?あれはね、お漏らしじゃないから我慢しなくて大丈夫♡男も女の子みたいに凄くキモチイイとなるんだって♡はじめての潮吹き可愛いかったよ♡」
「な?!」
粗相をしてしまった訳では無いらしいが、俺は昨夜の痴態を思い出して羞恥に震える。しかし侯輝は愛おしそうに俺を見つめていて、嬉しそうだった。侯輝はまだ若いしやはり激しい交合いを望むのだろうか。毎回昨晩の様な交わりだと少し辛いのだが、侯輝が喜ぶなら頑張ってみようかと、決意を固めていると侯輝は少しだけ遠くを見ながら言った。
「俺達ってまだやってないこと沢山あるよね」
「ん…まぁそうだな。お前正常位ばかりだったし、俺もようやく少しは動ける様になったし…」
「え、あ、ごめんね、えっちの事だけじゃなくて。どこか遠いとこに旅に行くとか。天理の両親が住んでいる国に挨拶にも行きたいな」
「っ!話の流れでそうじゃないのかよ!いきなり広義の話しやがって……まぁそうだな」
急に話を飛ばしてきた侯輝に、俺ばかり卑猥な事を考えていた気にさせられてしまい、怒りと恥ずかしさで思わず声を張り上げてしまう。しかしすぐに同意すると侯輝はクスクスと笑いながら続けた。
「えへへ♡あ、でも!俺が正常位好きなのは天理の顔見たいからだから!決してバリエーションがない訳じゃないんだからね!えっちも頑張るからね!」
俺の先程のが言い方が悪かったのか、少し焦った様に弁解する侯輝に、愛おしさを感じる。侯輝は冒険者仲間とそういったシモの話もして知識は豊富の様だし女にも男にもモテるのに、実技は俺しか知らないでいてくれるのが嬉しかった。だから快楽に乱れる顔を見られるのは恥ずかしいが侯輝のしたい様にさせてやりたかった。それに今更ながら俺も侯輝の愛おしそうに悦ぶ顔を見ながらスるのが好きだったなと気づく。
「いや、責めていた訳じゃないんだ。俺も前から抱かれる方が安心するというか…好き…だし。でもお前が試したい事は、何だって構わないぞ」
この先の未来、お前が相手なら、お前と一緒ならそれこそ何だっていいのだと心の中で付け足す。それは本心だ。ただそれを口にするのは恥ずかしくて言い淀んでしまったが伝わっただろうか。
「うん!二人で色んな事しようね。昼も♪夜も♡これからずっと。楽しみだね♪」
「……うん。そうだな。楽しみだ」
どうやら広義の意味の方でもちゃんと伝わったらしい。同じ未来を描ける幸せに頬を綻ばせていると侯輝もまた嬉しそうに笑ったのだった。
それから俺達は手を繋いでまたゆっくりと歩き出す。
侯輝と一緒ならなんだって乗り越えられるだろう、楽しさも幸せも一緒にいれば何倍にも膨れ上がる。
俺達はこれからもずっと一緒に歩いて行くのだ。