ご奉仕と真心は突然に
ベースは年下×年上(侯輝×天理)ですが、天理×侯輝有り
ソフトSMらしきモノ
1P:天理視点 侯輝×天理SM
2P:天理視点 残念買い物新婚夫夫
3P:天理視点 天理×侯輝
4P:侯輝視点 天理×侯輝SM(受け身Sコメディ風味)
5P:ボツ稿天理×侯輝SM
言い訳:
前の話がなかなかエロに入れず、フラストレーション解消の為、実際は結婚前に書きあがり精神面が若干まだ恋人モードだったものを書き直したら無駄に3倍に膨れ上がり大分カオスになった。
実家に帰る前の話にしてしまおうかと思っていたら侯輝が結婚初夜やIF話でにいらん事を言ってしまったので、後の話にせざるを得なくなった。
俺達の結婚式から一月ほど経った頃、それは就寝前の穏やかなひととき、ベッドの上で今日もいちゃつくのかソワり始めるかどうかの頃、侯輝によって唐突に開始された。
「そういえば仕事中に話してたんだけどさ、天理ってSMに興味あるの?」
まるで好きな食べ物を聞くような気軽さで話されると自らの耳を一瞬疑った。
「お前の仕事中の話題おかしくないか?」
己の伴侶の就業環境がちょっとだけ心配になる。
「たまたまだよー。それに、ほら、俺達もう夫婦だし、知っておいても良いんじゃないかなって思って」
たまたまだな?信じるぞ?まぁ確かに、そういう趣味嗜好があるなら把握しておく必要はあるかもしれないが……
「うーん、あまり知らないし、興味も全く無いとは言わないが、別にいいかな…」
なんか怖そうだし。
「そっか。もし、少しでも興味があるなら教えてあげるつもりだったけど」
ちょっと残念そうに見えるのは気のせいか?
「教えるって。お前は知ってる様な口振りだな?」ジト目で返す。
ちょっと前までお前童貞で正常位ばかりで…もしや。そんな事を考えながらチラリと見る。
「うん。俺が知ってるのは基本的なプレイだけだけどね。あとは、あれとか、これとかさ」
指折り数えていくそれは、聞いたことがあるような無いような内容だった。俺は首を傾げる。何でそんなことまで知っているんだ、それも冒険者の仕事の内なのか?
「なんのために…」思わず呟く。
「だって、知識として持っておくのも大事でしょ?知っとけば対処できるし」
うん、お前、実は努力家だったな。
「お前…まさかこの前俺が『お前正常位ばかりだしな』って言ったの気にして覚えてきたとかじゃないよな?」
別に嫌じゃないって言ったろうに。それにしてもSMとは飛躍し過ぎじゃないのか。先に四十八手試すとかじゃないのか。
「えっ!?…そ、そんな事無いよ!ただ、俺は天理が望むことをしたいと思って!」
図星なのか。迂闊に言ってしまったな…
「お前、俺がやりたいっつったら対処するつもりだったと」
「勿論。天理が望むなら喜んで」ニコとでも真面目な顔で言う。
こいつ本当こういう所あるんだよな……。俺が望めば何でもしてくれるつもりらしい。
嬉しいが、やり過ぎるとヤンデレになりそう…ってそういう所も含めてこいつと結婚したんだったよ、お互い様だ。嫌いじゃない、寧ろ愛おしいさ。
なので少しだけその話題に足を突っ込んでみてしまった。普段、下な俺がM役なのか…?一応聞いてみるか。
「…お前どっちなん」「両方!」食い気味に答えられた。「ぇぇ…」
「正直俺はどちらでも構わないんだよね。天理に無理強いするつもりはないよ。どうしてもしたい時は、ちゃんと言って合意の上でやってもらうから。傷付けないって約束する!だから安心して」
期待の眼差しが向けられる。
うーむ、どうするか。好奇心はあるのだ。そして、こいつが願うなら叶えたい。
「傷つけるつもりは無いんだな?」
とは言えちょっと怖いので念押ししてみる。言い終わってから俺既にM前提で考えてないかと思う自分をスルーした。
「勿論!天理が嫌がるようなことは絶対しないし、天理が望まないうちは何もしないよ!」
俺の手を取り両手でぎゅっと握りながら見つめて来る。その顔は卑怯だろう。
「ちなみに…俺はどっちに見えるんだ?」
「うーん、天理、普段は受け身で恥ずかしがりながらも頑張って応えようとしてくれると嬉しくて、ついいじめたくなるけど、たまに攻めてくれると凄く興奮するかな。俺攻められても大丈夫だと思う。優しくリードしてくれればね」
いや、頑張ってるんだからいじめないでくれよ。攻める方は…要勉強だな。本当にどっちでもいいのか。で肝心なところ
「…お前はやってみたいのか?」
情熱に気圧されながら、恐る恐るという感じで聞いた。
「うん!めっちゃ興味ある!!!」目をキラキラさせた。
普段爽やか男子からこんな熱烈アピールされたら老若男女問わずイチコロであろう。普段からこれやってないよな?アピール内容が残念すぎるが。
「うわぁ…ぇぇ-と…あのな、俺はお前相手なら、何をされてもいいというか……」
言い辛そうにモジモジしながら答える。
「M側でやってみたいって事でいい?」
「…」両手で顔を覆い無言でこくりと首肯する。顔が熱い。
「え、ほんと!?良いの!!やったぁあああ!!じゃあね、ムチとか蝋燭とかいきなりハードなのは良くないと思うからまずはソフトなものからいこうね」満面の笑みで喜んでいる。
「ぅ…痛いのいやだ。縛るのはその…あんまきつくなければ。あと目隠しは怖そうだけど一回お試しなら…」
やると言った割にちょっと我儘過ぎただろうかと思いつつ、ぼそぼそ呟く。
「分かった。痛かったり怖いのは無しにする。優しくするから。ちょっとずつ慣れていこうね。大丈夫、きっと気持ち良くなるから。がんばるね!」
「ぅぅ……」ちょっと早まったかと思いつつ流れに身を任せてみる。
「じゃあね、早速これつけてみて!」
テッテレーとSEが聞こえてきそうな雰囲気で嬉々として拘束具を取り出した。手錠らしきものと、鉄の棒の先端にそれぞれ皮のバンドがついたもの。
って既に用意済みか。お前俺がやるって言わなかったらそれどうするつもりだったんだ。俺が押せば頷くと思ったのかお前。…頷いたけどな。
「なんか思ったより本格的な物が出てきたな。どこで買ってきたんだよそれ」
「冒険者ギルドの売店。最近品揃えが良くなってて助かるよねー」
「あー冒険者ギルドもチェーン展開してるしな…じゃねぇよ。ギルドで買ったら俺に使うやつだってバレバレだろが。俺達先日あそこで結婚式あげたばかりだろ。自重しろ」
冒険者ギルド恥ずかしくて行きにくいだろが。
「えー、いいじゃん結構買ってる夫婦いるって聞くよ?気にしない気にしない」ね?ね?
あざと可愛いが騙されてはいけない。こいつは確信犯である。…まあ分かっててしっかり流される訳だが。
「そんなもんか……。えっと…じゃあ着けてくれるか?」
「了解。んじゃ、服脱いで。手首にこれね」
「こ、これでいいか?」
戸惑いながら上着を脱ぐと手早く後ろ手で手首に手錠をされる。既に手慣れていてなんだか怖いが冒険者の仕事で拘束が必要な事もあるだろう多分。続いてズボンもパンツごと下された。足首に革製のバンドのような物を嵌められ、足を鉄の棒の幅分開かせられ、もう片方の足首にも革製バンドを嵌められた。なるほどこれで脚が閉じれない訳か。
「完成!いい格好になったね天理」
「う…」あ、もう始まってるんだな。
ベッドの上で膝立ちになり、脚を開いたまま閉じる事ができず中心が晒された状態にされる。まあそれだけなら身体的にはいつものセックスとさほど変わらないはずなのだが、例え相手が身も心も許している侯輝とはいえ、拘束されているという事が妙に背徳感を感じさせた。…これはあくまでプレイの一環であり、そういう趣味がある訳ではないはずだ。断じてない。
「わぁエロいね。そうだもうちょっと待ってね」
侯輝は満足そうに俺を眺めた後、ベッドから降り姿見を見える位置に置く。そこには顔を少し赤らめあまり直視したくない己の姿が見えた。
「う……こんな姿になってからなんだが本当にやるのか?」目をそらしつつ聞く。
「もちろん。ほら見て。すっごく似合っててかわいいよ天理。大丈夫。ちゃんと気持ちよくするからさ。今日はいっぱい楽しもうね」そう言って後ろから抱きしめられ、耳元に息を吹きかけられた。
くすぐったさに思わず身を捩るとそのまま首筋や肩にキスされ、胸板や腹筋をさすられる。そして指先で突起の周りをくるりとなぞり、軽く摘まれた瞬間ビクリと体が跳ねた。
「っ……!」
「ねぇやっぱり感度上がってない?前よりも感じやすくなってると思わない?」
「別にいつも通りだろ…」
どうせいつも恥ずかしいし。そんな事を思いつつ体をまさぐる手に意識が持っていかれる。体がビクビクと反応してしまう。いつも通り、いつも通りのはずだ。
「そっかぁ、じゃ、ちょっと後ろ確認するね」侯輝はローションを手に取ると俺の後孔の周りを少しマッサージした後、そっと指を入れられた。
「ん……」指を入れられ思わず声が漏れる。
「やっぱり結構柔らかいね。ちゃんと準備してくれたんだ」
「今日だってお前とするつもりだったからな…」
SMするつもりは無かったんだが。とは言え今の所、拘束されている事以外いつもと変わらない。流石に他に道具は持っていないらしいし、やはり叩かれたりするんだろうか。少しくらい頑張れるだろうか。と不安に思いつつ覚悟していると
「ふ~ん。そっかぁ。俺の為にそこまでしてくれるなんて、天理は可愛くてエッチだなぁ。じゃあどうして欲しいか自分で言ってみて」
満面の笑みで言われた。まさか…これはあれか、言葉責めとか羞恥プレイとか言う奴か。…的確に弱点突きやがって。しかしSMプレイって何要求すりゃいいんだ?叩かれるのは嫌だし、いじめて欲しい訳じゃないし、できれば気持ちよくして欲しい。
…う。これは言い辛い。そうまごまごしていると
「言えないなら俺が言おっか?」言われ慌てて止めた。仕方がない、いつも通りだ。
「ぅ……じゃあキスして欲しい…」
「可愛いなぁ。お望み通りしてあげるよ」後ろから唇を合わせ舌を絡められる。
「んっ、ちゅっ……んむっ……」
むずがゆいがキスは嬉しい。こちらからも絡めて、言葉にはできないが俺だって少しは欲しがっている事を行為で主張してみる。お互い口内を好きに弄り合う。侯輝が顔を少し赤らめ名残惜し気に唇を離すのを見て少しだけ満足した。
「んんっ、ぷはっ…もうそんな嬉しそうにしちゃって。じゃあ次は何?」
「まさか全部言うのか?」
「言ったことだけやってあげるよ。上手におねだりしてね」にこにこしながら返答を待っている。
楽しそうにしやがって。
「く、胸も触ってほしい。あと心臓に跡付けて…」
心臓に痕つけて貰えるとお前のものだって印みたいで嬉しい。ってこれもうバレてんだろな。勝手な願望だがお前もそうだといいな。
「じゃあまず胸からね」クスりと笑われる。前に回り込み腰を下ろさせると俺をそっと押し倒す。乳首を摘ままれ軽く吸い付き、歯を立て、舐める。そしてまた強く吸う。赤い花が咲くように鬱血の跡が増えていくと俺から漏れる声も少しずつ大きく高くなっていく。
心臓に強く吸い付いて跡を付けられると自分でも聞いてて恥ずかしい声で鳴いてしまった。
俺の心はいつだってお前のものだぞ侯輝。手が不自由でお前に触れられないのが残念だ。
「可愛い声。いい顔になってきたよ。天理見て、触ってもいないのに天理の大きくなってきてるよ」俺の中心を指さされる。顔が熱くなるのを感じた。確かに侯輝の言葉の通り、反応を示している。
「そんなに見たいなら見させてあげようかな。ほら、鏡見える?もう先走りが出てヌルヌルになってるよ。ねぇいつもより感じてるんじゃない?」
侯輝が体を少し横にずらすと鏡にM字開脚をした自分のヌルついた中心と秘所が見えるようになった。瞬間、ぴくりと中心が揺れるのを見てしまいさらに羞恥心が沸き上がる。こんな姿、自分じゃないみたいで嫌なのに、体は正直に反応しているのが恥ずかしくてたまらない。
「う、わ」足を閉じようとするが、ガシャリと拘束具が鳴るだけでそれは叶わなかった。顔を背けるが、同時にゾクゾクとした感覚に苛まれる。俺の体どうなってんだよ……。
侯輝は俺に覆いかぶさるように抱き着き耳元で囁いた
「ねえ、天理、今どんな気持ちか教えてくれる? 」
「分、からん…なんかおかしい。うぅ…恥ずかしい…」顔を背けながらまとまらない頭で答える。
「ふーん、分からないのか。次はどこ触ろうか?言ってみて?」
「う、後ろの方を弄って欲しい」
「天理のこれはいいの?」侯輝は俺の中心をスルリと撫で上げると擦り始めた。
「あっ、駄目だ、そこは!」
「後ろはまだ駄目だよ。先に前をもっと硬くしないとね」
立ち上がっていた俺のソレを握り先走りを絡める様に上下に扱かれるとすぐに気持ちよくて堪らなくなる。でも本当に欲しいのはそっちじゃない。
「ああ!前やめっ」
「出したくないの?ホラ気持ちいいでしょ?なんでやめて欲しいのかちゃんと言ってみて?」
亀頭をグリッと押されると悲鳴の様な声で喘いしまう。
「ひっ!いくと、終わっ、ちま、ぅ。から、一緒に、いきた……」
刺激に耐えながらギリギリ願いを伝えるとやっと侯輝は手を止める。早く後ろに挿れて欲しい。
「可愛い事言うな~もう。しょうがないなあ。じゃあちょっとだけ手伝ってあげる。その代わり、ちゃんとイク時は俺の名前呼んでね」
俺は素直にこくりと頷いた。そんなのはお安い御用だ。いつも呼んでいるだろ?訳わからなくなる程抱き潰されている時は知らないが。
「ん、じゃあ、まずはこれ、舐めて綺麗にして」
上半身を起こされると侯輝が下を脱いで俺の眼前に差し出してきた中心を口に含む。俺は両手が使えないので侯輝が頭を支えた。口の中で舌を使い丹念に唾液で濡らす。何度かの経験でコツは掴み少しだけ自信のある奉仕を丹念にした。こいつが感じて気持ち良さそうにしてるのは好きだ。俺の頭を支える手に時折力が籠る。
「ああ、気持ちいいよ天理…ホント上手にできるようになったよね。いいよすごく良い……」
身を屈めて感じ入った掠れた声を耳元でそう囁かれると背筋から下腹部に甘い痺れが走り、前も後ろもヒクついてしまうのを自覚すると顔に熱が集った。こいつの事だから分かっててやっているんだろう。
「そろそろ出すから全部飲んでね。一滴でも零したらお仕置きするから。わかった?」返事の代わりに吸い上げる力を強くする。「くっ、出るよ……ッ!!」
喉の奥に熱い飛沫が叩きつけられた。
「んぐ!う…ぐ…ぅ…ゴクッ」苦さに涙目になりながらもなんとか飲み込む。ちらりと侯輝を見上げると満足そうな顔でこちらを見ていて、その顔が妙に艶っぽく見えてしまい思わず目を逸した。口の中の男根がピクリと動く。ずるりと引き抜かれた男根は未だ硬度を保ったまま天を向いており、射精してもなお興奮していることを示していた。それを見て自分の後孔がきゅっと締まるのを感じた。どうしようもなく悦んでしまっている自分がいる。
「よく飲めたね。えらい。口を開けて見せて」
「ん、ぁー……」目をつぶり従順に口を開いて見せたら頭を撫でられた。頬が緩む。
「えらい、ちゃんと飲んだね。じゃあご褒美あげる。ちょっとローション足すから冷たいかもよ」
俺をそっとまた押し倒すとローションを手に取り少し温めてから指に纏わせる。
「行くよ」つぷりと侯輝は人差し指を後孔に指し入れた。
「んっ」なんだかんだ丁寧に扱ってくれるのが嬉しい。最初は違和感はあるが徐々に体に痺れをもたらす。ゆっくり出し入れしたり、ぐるっと回され侯輝のソレを受け入れる為に慣らされていく。
「んっ、っ、ぁっ」気持ち良い…のだが肝心な所が避けられていて辛く腰が揺れてしまう。焦らされていると気づくと堪らず懇願した。
「侯、輝っ中っ触っ」「なあに?中のドコかな?」「意地悪っすんなっ」「言わないとこのままだよ?」「…俺のっ…いいとこ触ってくれっ」
「ここ?」トンと待ちかねたソコに軽く押される。
「ああっ!!」腰が跳ねた。繰り返し押されると拘束具をガシャガシャ音を立てて暴れてしまう。
「もっと強く押して欲しいんだよね」ぐりぐり押し続ける。
「ああ!!そんっ!な!ダメっ!だ!」
「駄目じゃないでしょ?ホラホラこんなに気持ち良さそうにしてるのに」
気持ちいい、気持ちいいけど指じゃ嫌だ。お前がいい!早く挿れて欲しくて仕方ないのに、侯輝はまだ許してくれずひたすらに前立腺を押したり擦ったりする。
「あっ!やっ!止めっ!止め!頼むっ!から!」
止めたい一心で拘束具が手足に食い込むも構わず強く引き暴れるが、壊れる事なくギリギリと金属音を響かせるだけだった。
「天理がお願いしたんでしょ?止めるわけ無いじゃん。ほら、もっと鳴きなよ」グリッグリッと強めに押されるとグチャリ、ヌチュッと卑猥な水音を立てながらかき混ぜられる。
嫌だ嫌だ嫌だ!お前でなきゃイキたくない!イキたくないのに…
「ひっ!ぅっ!止うっ!やっ!うぅっ……」視界が涙で薄く滲み始める。もう無理だと諦めかけたその時、やっと指を止めてくれた。後孔からゆっくりと指を引き抜かれる。荒い息を整えながら侯輝を見上げた。
「どうして止めて欲しいのか言える?」侯輝は覆いかぶさってくると俺の髪を撫で優しい声色で聞いてきた。
「手でイキたくな…お前のでイキ…たい」
侯輝の体が一瞬ビクッとした気がしたが、ぐっと堪えて抱き締めると耳元で囁いてきた。
「…じゃあどうして欲しいのかちゃんと言わないとね?」
「う…………」
「言えないなら今日はこれで終わりにしちゃうよ?」
そんな意地悪を言いながらも優しくキスをし、急かすように胸の飾りを弄られた。
「んっ!言う、から、最後までしてくれ……」
「しょうがないなぁ、じゃあお願いの仕方があるよね?ほら、どうイキたいのか言ってみて?」侯輝の瞳が期待で揺れている。
欲しい。さっきから俺に押し付けてるお前の熱くガチガチに勃ったソレが早く欲しい。
「お前のが、欲しい。もう我慢できないんだ。だから、その、大きくなってるものを俺の中に挿れて…奥まで突いていっぱいにしてイカせてくれ…」
願望を言葉にするもどうしても羞恥で声が震えてしまう。
「よく言えました。…あげるからちょっと四つん這いになってね」侯輝は俺を抱きしめたまま一緒に一度半身を起こす。足の拘束を外し、後ろに回りこんで「ごめんね」と呟きながら俺の手錠も外される。俺が暴れた時にできた手首の痕をさすり、申し訳なさそうにする侯輝に大丈夫だってと小さく笑いかける。
もう開放しれくれるのかとホッとすると同時に今日は後ろからなんだなと少し残念にも思った。前からでいいって言ったのに。お前の顔見られないけど、俺も見られないから恥ずかしくても楽だと思う事にする。
解放された腕で四つん這いになると侯輝が俺の腰を掴む。
ああ、ようやく貰える。そう思うだけで後孔がヒクリと反応する。これから挿れる侯輝にはそれもばっちり見られていると思うと顔が熱くなった。
「ふっ、可愛い。入れるよ」
先程散々慣らされたそこは抵抗なく侯輝のモノを飲み込んでいく。
「ああぁ……」
ゆっくりと挿入ってくる熱い塊に思わず吐息が漏れた。待ち望んでいたものが入ってきた。気持ち良い。思わず力が入ってしまい、侯輝の形を感じてしまい身体中がゾワリと粟立つ。それだけで達してしまいそうになる。
奥まで入れて一旦止めると、侯輝が後ろから覆いかぶさってきた。耳元に侯輝の荒くなった呼吸が聞こえてくる。
首筋にチュッチュッと音を立てて口付けされるとまたゾワリと鳥肌が立った。
侯輝のモノに慣れた頃を見計らって両脇を掴まれそのまま後ろへ持ち上げらると侯輝の上に座らされ背面座位になる。
「あっ!ああっ!」
自分の体重でいつも以上に深い所に入り込み、ビクビクと身体が跳ね上がった。
侯輝は俺の体を少し斜めにずらし俺の腕を自分の首にかけさせると俺の名を呼び後ろからキスを強請ってきた。俺はそれに応えてキスに夢中になっていると侯輝は後ろから俺の両太ももの下に手を差し込み、そのままするりと膝裏まで手を滑らせると持ち上げられた。
「んあっ?!」
足が宙に浮き、不安定な体勢に慌てて侯輝の首に回す腕に力を込める。逆の手はバランスを取るように後ろ手に侯輝の腰当たりを掴んだ。そして何よりせっかく強制開脚させられていた拘束具を外したというのに侯輝の手で脚が開かれ固定されてしまったのだ。恥ずかしさから脚を閉じようにも俺を横抱き慣れするくらいに強い侯輝の膂力がそれを許さず、局部を晒した格好が嫌で身を捩るも後孔と繋がったままの結合部が刺激されて上手く動けない。
「っ!こっこれいやだ!」
再び半泣きでバタバタと必死に訴えても今度は侯輝はクスっと笑うばかりでやめてくれる気配はない。
「ねぇ天理。ほら前の鏡見て、この体勢だと天理の後ろに俺のが貫かれてるのが見えるでしょ?天理のも後ろの口までヨダレ垂らしてるし、いやらしいね。何より天理…凄くイイ顔してる。可愛い」
「う、ぁ」
示された様に鏡を見るとそこには後ろに侯輝を受け入れ、中心から前走りをダラダラと垂らしながら顔を赤く染め、酷い顔をした自分がいた。羞恥心で全身に熱が灯る。とても正視できず目を瞑り首を横に振ることしかできなかった。
「恥ずかしがってないで前見ようか。俺のが全部入ってるところが見えないでしょ。今、後ろキュウってなったよ。やっぱり天理はエッチな事大好きなんだよね?」
そう言い腰を緩く一度突き上げられるとビクビクッと身体が跳ねた。
「あ!ぅん、も、エッチ、好き、好きでいいからもう」
激しく動いて欲しい。恥ずかし過ぎるから早く行為に没頭してしまいたい。
「動いて欲しい?鏡見てたら、動いてあげる」
「うぅ…」
嫌だったがナカの疼きにも逆らえずコクコクと無言でうなずく。仕方なく情けない自分の姿を見る。
「鏡から目反らしたら止めちゃうからね。動かすよ?」ゆるゆると突き上げ始めた。最初はゆっくり焦らす様に、徐々にスピードを上げていく。
気持ちいいと思う度に鏡に映る自分の顔が歪んでいく。突く度に甘ったるい悲鳴をあげ、汁を滴らせながら中心が揺れるのが見えた。情けないのに自分が快楽を拾う度に嬉しそうにしてるのがわかると逃げ出したい気持ちでいっぱいになる。
侯輝、お前これ見ていつも興奮してるのか?お前も大概じゃないか。俺は恥ずかしくて死にそうだ。
どうしようもなく情けない自分の姿に耐えられず、目を閉じてしまう。途端に動きが止まった。侯輝は動きを止め、そのままの姿勢でじっと見つめてくる。許してくれと請う様に視線を送る。
「天理、駄目だって言ったでしょ。ちゃんと前を見てて。俺がどんな風に天理を愛してるか、しっかりその目に焼き付けてて」
「分か、った。見る、見るから…」
意を決して鏡を見るとやがてゆっくりとまた動き始める。そして激しくなる。だが鏡を見続けては耐えられず目を反らし止まるを繰り返した。
必死に鏡を見続けても快楽に溺れる自分の体とその表情に耐えらない。遂に顔が横を向いてしまう。それでも、侯輝はまだ許さないという風に動かない。
燻り続けて達する事ができない体と羞恥心に耐えきれない精神が限界にきていた。
イキたい、見たくない、イキたい、恥ずかしい、辛い、苦しい、助けて。とうとう、耐えきれずに涙が溢れ出す。
「も…勘弁してくれ…頼む…頼むから……」ついに震えながら下を向き涙声で懇願してしまう。快楽のものではない涙がボロボロと流れ落ちる。
すると、侯輝の動きが止まり、腕を下し俺の足を地につけると、俺の膝裏から手を外した。
「ああ、ごめん、泣かないで。もういじめないから」
そして後ろから片手で抱きしめ、そっと顔を引き寄せ口付けられると、優しく頭を撫でられた。少し落ち着いてきて、やっと許された事に安堵する。
「天理はこれ恥ずかしいよね、やっぱり体位変えるね」「ま、待て!」「天理?」
俺を下そうとする侯輝を静止する。
確かに恥ずかしい、けど、それ以上に俺がこんな事になってる事に喜んでくれるのが嬉しいんだ。だから、もっと喜ばせてやりたい。俺だって男なのだから。
「お前がやりたいなら、鏡見なくていいなら、そのままでいいから…」
「そっか…分かった。でも無理しないでよ?俺は一緒に気持ちよくなりたいんだから絶対我慢は駄目だよ。わかった?」
労るように念をおしてくる。でも少しだけ残念がってるような声音にも聞こえた。期待に応えきれないからだろうか…
「わかっ……んぁあっ!!」
落ち込む暇もなく、言葉の割にもう言い終わらないうちに再び背面から膝裏を持ち上げると、強く突き上げてきた。
最初から激しい上下運動が始まる。俺自身はいつも以上に何もできず、すがり付き、動きに合わせて喘ぐ事しかできない。先程までの刺激で敏感になった内壁を擦られ、侯輝のソレが奥深くに届いた。ガクンガクンと体が揺れ、足先が宙を蹴って跳ね上がる。
パンッ!と肌同士がぶつかる音が響き渡り、その度に脳天を突き抜けるような快感が襲う。
目を瞑り揺すられながら、侯輝の荒い吐息を聞いていると、自分を愛してくれている侯輝を見たくなった。目を開けば鏡にどうしようもない自分の姿が見えるのは分かってはいたが、それでも見たくてたまらない。
揺らされながら自分を見ないように場所にあたりをつけ、薄らと目を開ける。激しく揺れ少しぼやけた視界で目を凝らし鏡に映る侯輝を探す。そこには汗だくになりながらも、熱に浮かされた様に俺を見つめる侯輝がいた。言葉では平気そうにしてる癖に俺の全身を支える体位のせいか、さすがにいつもよりきつそうな表情と、最中には金色に見える大好きな瞳が俺を見つめていた。その瞬間、胸がいっぱいになるのと同時に痺れが走った。鏡の自分が口の端に涎を滴しながらも幸せそうに笑う。
「天理!?何笑ってっ!?急に締め付けないでっ!」
「あっ、はっ、悪いっ、つい、嬉しくて、」
驚いた侯輝が動きを止めるとしっかりと見開いた俺の瞳と鏡越しに視線が絡まる。
「やっと、見てくれた」
嬉しそうに侯輝が笑う。SMプレイの一環で鏡置いてただけじゃなかったんだなお前。背面じゃ見て貰えなくなった俺に鏡越しに見て欲しかったのか。ごめん、お前、ちゃんとそう言ってたのに。
「すまん、今度はちゃんと見てるから」
「大丈夫?無理してない?」
「お前だけ、見てるから。続けてくれ侯輝」
鏡越しのその金の瞳をじっと見つめる。俺の言葉に安心したのか、侯輝が再び動き出す。さっきよりずっと激しくなって、思わず声が出る。それでも侯輝は止めずに俺を見つめながら腰を動かし続けた。鏡に写る自分の痴態は相変わらず見られたものじゃなかったけれどその瞳だけは愛おしいものだった。俺はこの瞳が好きなんだなと改めて思う。そして、その瞳に愛されているのだと思うと胸がいっぱいになる。
「あっ!ああ、あっ、ぁ、ああ!あ!」
「天理っ、イクときのっ、約束、忘れちゃ、だめだよ?」
俺は絶え間なく嬌声を上げる中、返事だか嬌声だか分からない返事をする。
忘れていたって忘れない。お前を呼ぶ事ならば。
激しく与えられる刺激に絶頂が近づいてくる。
「あ、あ、は、あ!ん!候!いっ!侯輝!侯輝!侯輝!」
「く、あっ、天理、キス!したい、」
回した腕の中から望まれた声に応える様に振り向き顔を寄せると、すぐに唇が塞がれ舌が絡み合う。息苦しさと心地良さに頭の芯が痺れる。侯輝のソレを締め付けると膝裏を持つ手に力が籠った。
頭の中が侯輝でいっぱいになる。侯輝、侯輝、侯輝…
「ふぅううん、んうううううー!!!」
一際大きな波に飲み込まれ、ビクビクと体を震わせながら絶頂を迎え白濁を吐き出す。同時に中に熱い飛沫が注がれたのを感じた。
「ぁ…はぁっ…はぁっ…ん…はぁっ」
膝を下ろされ、しばらく繋がったまま侯輝に寄りかかりビクビクとまだ震える体で余韻に浸っていると、そっとタオルで汗や中心を拭われる。
「天理、今イク時俺の名前呼ばなかったね?お仕置き、しないとね」侯輝は終わらぬ宣言をすると脇の下から無防備な乳首にチュウと音を立て吸い付いた。
「んっ!な!いまのはお前が!キスして呼ばせなかったろ!」
まだ火照りと震えと荒い息が止まらない体で弱々しく抵抗しながら抗議する。
お前分かっててイク直前にキスしたろ。
「そうだったかなー?ちゃんと俺の名前を呼んでイッたら解放してあげる。もうちょっと楽しも?」もう復活したのか、再び同じ体制で膝裏を抱え直すと突き上げ始めた。
「このっ!体力、馬鹿!あっ!」抵抗するも、当然敵う訳もなく、再び与えられた快楽に抗えずに喘ぐしか無かった。
「あ、そうだ。ちゃんと捕まっててね?」
侯輝は俺を抱えたまま尻を軸に転がる様にベッド上を移動しベッドから降りると繋がったまま俺ごと抱えて立ち上がった。
待て、待て、待て!これは背面駅弁と言うやつでは!?いわゆる…おしっこのポーズだ!恥ずかしすぎて顔から火が出そうだ。
「ちょっ、侯輝!これ恥ずかしっ、怖いっ、無理っ、頼む、下せぇっ!うわああ、鏡の前に立つなぁ!!」
必死に懇願するが侯輝は全く聞いていない。
「ああっ、そんなに締め付けないで、大丈夫絶対に落とさないから。ね?お風呂行って洗お?」
ね?じゃない。お前の体力どうなってんだ。てかこれで移動するな。あと家の中にはもう一人家族の様なのが居るだろうが!
「待て、ほんと下せ、希守が」弱弱しくダメ元で希守の力を借りて訴えてみる。
「大丈夫だよ、俺達が裸でイチャイチャしてる時は近寄らないでって言ってあるでしょ?」
「一回このカッコ見ないとならないだろうが!あっ」
まぁダメだった。ちなみに希守は気を使ってくれているらしく侯輝が帰る日の就寝前はほぼ現れない。今日も遠慮しててくれ…
願い虚しく侯輝はそのままゆっくり歩き出した。歩く度に緩く奥に突き上げられ、結合部の白濁の感触に身震いし、羞恥心が煽られる。どうしようもなく、ただ侯輝にしがみついた。
「ああ、あ…、ん…、あ、あ…、ぅう、あぅ、」
寝室を出て廊下を進む、一歩進むたびに振動が伝わり、結合部から卑猥な水音が響き渡る。恥ずかしさとじりじりと責められる感覚に頭がおかしくなりそうだ。
「さっきから後ろがキュウキュウ締め付けて来るけど、見られるかもってドキドキしてる?」
廊下でわざわざぴたっと止まり覗き込むように聞いてきた。
こいつ!俺に見て貰えないからってしょんぼりしてたお前どこいった!
「違う馬鹿、ふぅ、は、はやく……」
「はいはーい。流石に俺でも天理抱えたままだとゆっくりでないと無理なんだよね。もう少しで着くから頑張って?」
嘘付け、いくら俺に突っ込んだままとは言え、俺を横炊きしてこれくらいの距離走れるの知ってんだぞ。引っ越して広い家になった事を心の中でぼやきながら、ようやく風呂に着いた。俺は息も絶え絶えようやく解放されそうな事に安堵する。
「頑張ったね天理。じゃ洗う前にこれで上手に出してみようか?」
浴室に入るとそう言うなり侯輝は立ち止まり、俺の膝裏を掴み直すと激しく腰を振り始めた。散々焦れる様に与えられた快楽が一気に突き抜ける。潮吹き良すぎておかしくなるから嫌なんだよ!
「くぁ!や!下、下せ!あ、あ、あ、あっ、や、やめ、て、くれ、出る、出る!!うわ、う、うううううう!!!!!」
だが耐えようとする思いも虚しく、揺らされる俺の中心からプシャッと勢いよく透明な液体が撒き散らされる。
この体勢だとおしっこ撒き散らしてるみたいで余計恥ずかしく、また全身が熱くなり視界が滲んだ。
「ぅあ…あ……」
「ぐっ…はぁ…お漏らしみたいで可愛いよ、天理。凄い締め付け、気持ちいい…ねぇもっと見せて」
締め付けに耐えうっとりと呟やくと余韻も収まらぬまま再度腰を揺らす。
俺は涙と涎を滴しながら侯輝に捕まる両手に力を込めひたすら耐える。
「ひゃっ、あ、あああ、また出る、出る、う、うううう!」
「っぐああ!」
一際強く突き上げられ、繰り返し突き上げられるとまた弱弱しくも透明な液体が幾度か放たれた。と同時に俺の中で熱いものが弾ける。
「ぅぁ……ぁ…ぁ…もう出ない……出ないって……」
俺は息も絶え絶え首を降ってギブアップを伝える。
「ああ…いいよ、いいよ天理…上手にできたね。天理もう後ろだけで沢山イけるようになったもんね。偉い。じゃ、綺麗にしようか」
うっとりと変態チックに呟き未だ体力を残し元気な侯輝にもう突っ込みも起こる気力も沸かず、ろくに捕まる事もできなくなってきた身体を支えられ、ずるりと引き抜かれた。後孔からダラダラと精液が垂れ落ちるのが分かる。下ろされた震える脚にもそれが伝わり尚も俺を刺激した。
うう…やっと終わった……。お前どSだろ…どっちでもいけるって言ってたけどホントかよ…俺お前みたいなどSプレイできないぞ…。
全身を洗い流され、抱き抱えられて浴槽に浸かる。
「大丈夫?天理」
「まず、しんどい、心身ともに。…気、持ち良かったけど」行為を思い出し赤くなりながら掠れた声で答える。
くそ、あんなんされても、まぁ悪くないと思ってしまった。でもコイツも他所には見せられない程変態チックだったけど。
「そっか。よかったぁ…。ごめんね、無理させて。手、大丈夫?」
さっき手錠でできた手首の痕をさすられ落ち着いた今になって漸く思い出した。
「ああ、少し跡になったか…まぁ大丈夫だよ。俺が暴れたんだしそんな気にすんな」
手は少し残りそうだが魔法を使えば治りは早いだろう。足も赤くなってるが痛々しい程ではないからすぐ消えるはずだ。だが俺を傷付ける事に神経質になりやすく、先ほどとは打って変わってしょんぼりしている侯輝を撫でてやる。
「うん…ほんとにごめんね」
「…今度は多少暴れても傷つかないやつ買っとけよ」
元気付けも兼ねてボソリと言う。できるなら暴れなくてもいい様なプレイにして欲しいところだが。
「うん。わかった!」途端目をキラキラさせ期待に満ちた顔で詰め寄られる。
まったくこいつは浮き沈みが忙しい。
「調子のんな」軽くコツリと叩く「まぁたまーにならいいけど、やっぱり俺はお前に普通に抱かれたい…お前どうしてもSMやりたいか…?」
鏡越しだと、すぐそこにいるはずのお前が遠いんだ。
「ううん、これはこれで楽しいんだけど、俺もいつもの天理の方が好き。でもまたやってみたいな。今度はちゃんと用意するからさ」
「……たまに、だぞ?気持ちいいのは好きだけど…その、頭の中気持ち良いでいっぱいになるとお前を忘れそうになって怖いから、やなんだよ」
例え快楽を与えてくれてるのがお前でも、快楽で頭が支配されてお前を見失うのは不安になる。言っててちょっと恥ずかしくなってきた。
「気持ちいいより俺が好きって事かな?」嬉しそうに笑いながらぎゅうと抱き締めてくる。
「お前の事好きだって散々言ってるだろ…お前、自分ばっか重いと思ってるなら勘違いだから覚悟しろよ?」粗方バレてるんだしと正直に言うも照れ隠しに抱き付いてやった。
「うん。俺さ、天理の事ドキドキさせたかったけど、蓋開けたら天理の俺が好きが想像以上なんだよね。掘れば掘るほど溢れてくるんだもん。逆にドキドキしちゃう…
俺も大好きだからね?こちらこそ覚悟して?俺の奥さん」耳元でそう囁かれるともう精根尽きたと思ったのに少し体が震えた。
なんだよ俺まだいけんのか?次やったら明日は動けないぞ。ていうかコイツわざとやってるだろ。もう俺出ないって言ったろうに……まあいいか乗ってやる。覚悟の程を見せ合おうじゃないか。
「じゃあ…今度はちゃんと見てるから大好きアピールしてみろよ旦那様?」顔を少し離し意味ありげに見つめてやる。
侯輝は一瞬きょとんとした表情になったがすぐに笑ってキスしてきた。
「わぁ煽っちゃっていいの?これ以上やっちゃうと、もう疲れてるだろうから我慢しようと思ってたんだけど」と意地悪く笑う。
「あぁ俺さっきので動けないな。おかげさまで?」
いたずらっぽく笑い返し項を撫でてやる。侯輝がビクっと肩を竦めるのが楽しい。さあ来い。
「っ…酷いなぁ自分動けないのに煽るって」嬉しそうにしながら俺の背に手を少し這わせる。俺はまた少し体が震えた。
「動けなくしたのお前だし、責任取ってお前が頑張ればいいんじゃないか?先に言っとく、動けなくなるから面倒みろ」
同意の行為だと分かっていても理不尽な物言いで挑発的に微笑んだ。もう再戦でいいよな?お前は俺の拙い誘いでも乗っかってくれるから好きだよ。
「ああ、もう…後で文句いわないでよね天理」「多分言う」「ホント酷いっ」と言いつつお互い嬉しそうにキスをした。
風呂を出て手早く拭き取ると侯輝は俺を横抱きダッシュで寝室に戻った。やっぱり走れるじゃないか。……何やってんだろな俺達は。
侯輝は俺をベッドに横たわらせると今度はいつも通り…だが俺の体を気遣って互いに愛を確かめながらゆっくり交わっていく。
先程までと違い、俺は安心して快楽に身を任せ、全身で侯輝からの愛を受け取りまた送った。
心が満たされていく。気持ちよくて幸せで、この時間がずっと続けば良いと思った。
俺達はお互いを貪り食らいつくし、満腹になって眠ったのだった。
[newpage]
翌朝。俺が起きると侯輝の姿はもう無く、美味しそうな匂いが漂っていた。
「おはよ天理。体大丈夫?無理させてごめんね」
「おはよう。……体はだるいけどまあ動けるかな。朝食作ってくれてるのか?」
「うん、できたから食べよ」
侯輝は俺を起き上がらせるついでにおはようのキスをしてきた。
顔を洗って朝食を頂く。なんだか新婚生活って感じでこそばゆい。
食事を終えて片付けを済ませる。
「ねぇねぇ天理買い物行かない?昨日の今日で悪いんだけどさ」
「んー……まあ良いよ。じゃ支度する」
俺達は身支度を整えて家を出た。
「で、何か買うもんあるのか?」「んー……そうだなぁ、痛くない手錠とか。目隠しとか」
「お、お前。本当に昨日の今日だな。昨日言ってたギルドで買うのか?」
「うん。ねー一緒に見よ?恥ずかしいなら後ろ向いてても構わないよ」
「はーー。どうせ俺に使うんだろ。監視しててやる」
「わーい」
俺達は連れ立ってギルドの売店へやってきた。安全な流通が自力で確保できるので商業ギルドと提携してギルドの一角に売店を構えている。
「えっと……目隠し、手錠、猿ぐつわか……」
うう。他にも結構えぐいのもあるな。何に使うのかさっぱり分からんのもあるし。
「あ、これ可愛い」「何だそれ?」「猫耳カチューシャ!天理似合う似合う」と商品を勝手に俺の頭に装着して遊んでいる。おいやめろ。俺はこんな趣味はないぞ。
外して棚に戻すと残念がられてしまった。買ってやっても良かったか…何も装着してないのにお前の頭の犬耳が垂れているのが見えた。
「あ、これなんかどう?」
そう言って手に取ったのは革製の目隠しだった。
「いいけどお前、俺が見てないと拗ねる癖に俺に目隠しなんぞさせられるのか?」昨日最中に俺がお前の方見てなくて、見たらやっと見てくれたって喜んでたのお前だろ。
「そ、そうなんだけどね。最初だけなら良いかなーと思って。最後にはちゃんと俺見て貰うから!」
「はいはい。まあいいよ」なんとなく、お前の方が耐えられなくて俺にした目隠し外してくる未来が見えたぞ。
「ロウソクも色々あるねーアロマ入りとか媚薬効果入りとか。天理の白い肌に垂らしたら綺麗だろうなぁ」
「ここで妄想に花咲かせるな。…まあアロマ入りなら最悪ロウソク代わりにはなるか…?」
「本当?!じゃあこれにしよ!」
そう言って真っ赤なアロマ入りを籠に入れる。
「あとこれ使わない?ブジー」
なんだか細長い棒のような物が入っている箱を取り出した。
「それは何に使うんだ?」尻に入れるには細すぎる。
「尿道開発する時に使うらしいよ」
「…え?…え?感じるのかそこ」
「キモチいーらしいよ。試してみようよ」
「お前に試していいなら買ってもいいぞ。別に俺にばかり使う必要もないよな?」にっこり笑って言うと、あわわと慌てる。
「そ、そうだね!じゃあ俺がやるね!」
買うのか。俺に使われそうな気もするが一度はお前にマジで試すからな。
「じゃ、じやあ次これ!ピンクローター!」
振動して刺激を与える玩具だ。魔畜石を動力にしているようだ。
「…どこに使うんだそれ」女子じゃないだろ?
「え?ここだよ?」
そう言って股間を指差す。
……マジかよ。まあいいか。黙って籠に入れる。
「ディルドのサイズはどうしよっかなー。俺達より大きいとなんか嫌だし」
「それいやだ」
「ダメ?」
「お前の以外突っ込まれたくないんだよ分かれよ」プイと横を向く。
「天理……」後ろから抱き締められた。「ごめんね?あ、でも俺と同じサイズの買って俺が留守の晩に慰めてくれても俺は嬉しいけどなー」
「お前な」
…後でこっそり買おう。
「じゃこれ、クリップ。使ってみない?」
クリップの先端に鈴が付いている。普通のクリップよりはバネが弱い様だが…痛そう。
「…乳首にだよな?楽しいか?」付けられて鈴が鳴るのは滑稽ではないか?
「可愛いと思う。試してみる価値はあると思うんだけど」
う~ん……そうか?
「…まぁいいよ。痛かったら即止めな。他は…これは?」
穴の空いたボールにバンドが付いている商品を手にする。
「ギャグボールだね。強制的に声出させたり、涎出させたり。それはいいや」
「なんで」
「だって天理もう声出してくれるし、好きだって言葉聞きたいし、口閉じれないくらい喘いで涎垂らしてる時多いし」
「ちょっと黙れ」軽くはたいてやる。一応店の中なんだよ!事実だけに腹が立つな。
「ここ貞操帯もあるね!天理に付けたい!」
ペニスにカバーを付けて鍵をかけられる様にするものだ。
「ええ…?俺浮気しないぞ?」
「そうじゃないよ!これはオナニーさせない為に付けるやつだよ!?付けてたら一人でできないでしょ?そしたら欲求不満になった天理が早く抱いて♡って迫ってくれるかなって!」
「……別に?付けたきゃ付けりゃいいだろ」
「何で余裕なの?!俺は毎日天理を抱きたいのに!」
もう一度はたく「声がでかい!……あのな?俺が後ろでないとほとんどイケないようにしてくださったのはどこの俺の旦那様でしたっけな?ん?」にっこり。貞操帯なんざ余裕なんだよ。
「はぁい…天理の旦那様の俺でぇす……」
「そうだな。よく分かってるじゃないか。買ってもいいが俺には不要だしお前に付けとくべきだよな?どちらかといえば」
「うわーん!ごめんなさいぃいいいい!!」
まあ実際侯輝に付けたら冒険から帰ってきて欲求不満な侯輝に目茶苦茶に抱かれそうだから止めとこう。俺がもたん。
「はい、じゃあ次行こうか」
「うん。あ、コスプレあるよ!天理どれ似合うかなー♪これ、ナース服どうかな!エッチなお注射しちゃうよ!お注射するの俺だけどね♡」
キャッキャッしながら言ってるけどお前おっさんっぽいぞ。
「その服着て俺がお前にお注射してやろうか♡」にこ
「うわーんまだ怒ってる?」
「冗談だ」
「あーでも一回やって貰ってもいいかも♡」
「冗談だろ…?」
「ねぇねぇ試着できるって!」落ち着かないやつだな。
「無いだろ流石に俺が入るナース服は」
「え?!このサイズなら入ると思うけど?!ちょっと待って!」
店員さんに確認してくる!と侯輝が行ってしまった……アクティブモンスターめ。
「マジで言ってんのか……?」
しばらくして戻ってきた。手に何か持っている。
「はい!持ってきた!大丈夫だってさ!」
「あんのかよ男子用…」
「ナース服試着して天理♡」
「こんなとこでいやだ」
「俺しか見ないし誰にも絶対に見させないから!ね?ね?」
目ウルウルさせんな。あーもう。「……わかったから」
「やったー!大好き天理」また軽くはたいておく「静かに待ってろ」
試着室で着替えた。ニーハイソックスは長いがスカート短く無いか?落ち着かない…コスプレ衣裳なんてそんなもんか?
「侯輝着替えたぞ、入ってこい」
「おー!可愛いよ天理!似合ってる!やっぱり俺の目に狂いはなかった!絶対領域最高だよ!!︎」
キラキラした目で褒められる。
うわぁ…褒められたのはいいがなんかフェチ入ってんぞ。
「あのね!これも着て!見たい!似合うの買う!」と待ってる間静かだと思ってたら選んでいたらしい服を渡された。もうヤケクソで順に着ていく。
「チャイナ着たぞ」裾は長いがスリットがえぐい。
「わぁ天理の美脚!綺麗!エロティック!素晴らしい!素敵!お持ち帰りしたい!」
「テイクアウトはやってねぇんだよ」
次メイド服。「おら着たぞご主人様」
「可愛いぃ!俺にエッチなご奉仕して!俺のお嫁さんになって!」
「残念ですがわたくしはご主人様と既婚なんだよ」「あ!それだ!」と今度はウェディングドレスを持ってきた。ワクワクする目で見るなもう全部着てやるから。
「はい着たぞ旦那様」
簡易っぽいが純白のウェディングドレスだ。
「お嫁さんだ…もう死んでもいい……俺モーニングコートもう一回借りてくる。式挙げ直していい?」
「はったおすぞ」
しばらくぎゅうぎゅうと抱き締められ撫でまわされたあとやっと満足したのかやっと解放された。私服に着替え直しながら聞く
「で、どの服買うんだ?普段使いできないもの流石に全部は買えないぞ」
「ええと、玩具は手錠とアロマロウソクとブジーとピンクローターとエネマグラと鈴付きクリップかな服はレンタルしようと思って」
なんか増えてんぞ。
「お前、俺にあれだけ試着させといて服は買わないのか…」
「買いたいけど…こんだけ買っちゃったからお金が…」だからウルウルすんな。
「服は買ってやるから選べ」
「天理…俺がんばって出世するから!」
結局ナース服を買った。レンタルだとサプライズで着ておくとかできないだろ。
会計をしようとレジに行くとギルドマスターがいた。最近学院から護衛依頼を出してないので俺は久々に会う。ギルドの酒場を貸しきって式を挙げた時、司会をして貰って以来か。
「あ、ギルマスだ。売店の方になんでいるの?」
「やっぱりお前らか馬鹿っぷる夫婦め。店員からヘルプが来たからこっち来たんだよ」
馬鹿っぷる夫婦…
「俺らが何か…?」
「イケメン二人がSMコーナーとコスプレコーナーで仲良くイチャ付きオーラ全開にしてて他の客が入れないから注意してくれって店員から連絡があったんだよ。お前ら新婚だろ、少しは自重しろ」
「えー普通にしてただけなのにー」
「お前の普通は一般人からしたら異常だ」
それは俺も思うが、
「俺は自重してたつもりですが…?」
「お前さんはそのつもりだろうが天然でちょいちょい漏れてんだよ自覚してくれ」
えぇ…
「そうそう可愛いよねー」
「お前は黙ってろ」
「はーい」
「で、お前ら何買ったんだ?……おい」
カウンターに置いた籠一杯のアダルトグッズとナース服。突っ込みたい気持ちはまあ分かる。俺は感情を無にすることにした。素じゃ恥ずかしくて買えない。
「………お前さん達、もうちょっとこう……恥じらいというか……」
「俺はこいつとグッズ買いについてく時点で捨てましたよ」
「えー?何がダメなの?」
「……いや……まあ……うん……」
「俺達はラブラブなんですぅー」
「はいはいそーだな」腕に抱きついてくる侯輝をひっぺがす。
「……もういい……好きにしやがれ」
「ギルマス!ギルド会員割引は?」
「アダルトグッズは対象外だ冒険に必要ないだろ」
「えー?必要だよー?俺達の夜の生活に」
「……お前ら夜はそんななのか?」
「ノーコメントで」明後日を見ておく。
「……若いなお前さんら」
「俺達が仲良しなのはいいことでしょ?ね?ね?」
「はいはいわかったわかった」
侯輝が抱きついてきた。もう面倒なのでされるがままにしておく。外じゃやめろっつってんだろ。会計を済ませた。
「ほら、そろそろ行くぞ」
「はぁーい。ギルマス、また買いにくるねー」
「もう来るな」
「では」ぺこりと頭を下げて店を出る。ついでに酒場で昼飯を食べた。
「次はどこ行こうかー」
「買い終わったならもう帰るぞ」
「ええええ天理の下着とか服とか見たかったなー」
「お前金ないだろ」
「見るだけ!あ!バニー服着て貰うの忘れてた!」
「着ねぇよ?」
「えー?着てくれるまで帰らない」
「もう疲れたから帰りたい」
「お願い!ね?ね?」
「…………はぁ……着るだけだぞ」
「天理大好きー!」
レンタル衣裳屋に向かう。男性用バニーもあるらしく着替えさせてもらう。バニー服を着るには一端全裸にならないとならないらしく世のバニーさんの苦労を伺い知る。全裸になりまずは男の場合Cストリングというのを履くと言うより装着する感じらしい。着け方を教えて貰う。
次に黒のストッキングを履き上からニーハイの網タイツを履く。これでやっとバニースーツを装着。燕尾服を羽織り、あとはカフスと襟と尻尾、バニー耳と蝶ネクタイをつける。最後にウサギを模したピンヒールを履いて完成。
着替え終わり鏡を見る。うわ……これ尻丸出しだし、胸はギリギリだ。なんかスースーして心許ない、恥ずかしい。しばし逡巡し意を決して侯輝を呼ぶ。が、入ってきた侯輝を見てくれた絶句する。恥ずかしさどうでもよくなった。
「わぁ可愛いやっぱ天理似合う!可愛い♡エロ可愛い♡」
嘗めるように俺を見る侯輝。
「その前に一ついいか?なんで…お前も着てんだ?」
俺のと色違いだが同じバニー服を着ていた。可愛いと言えなくもないが、なんでだ。雄っぱいが強調され侯輝の逞しい筋肉がさらに強調されている。あれかな?俺が恥ずかしいがらないよう一緒に着てくれたとかかな?そうだよな?
「なんか楽しいかなーって一緒に写真撮ろう!」
ああ、うん。特に考えてなかったかな……
「ああもう好きにしろ…」
セクシーなポーズにさせるか可愛いポーズにするか散々悩んだ末、二人で絡んだポーズを両方撮らされた。お前が楽しいならまあいいや…ヤケクソで撮った後はひたすら俺を鑑賞していた。イケメンバニーがひたすら野郎のバニーを嘗め回す様に見ている絵面はどうなのか。ストッキングの上からスルッと触れられた時思わずビクっとしてしまった。
「ちょっ変な触りかたすんな!」
「えー?だってこんなに薄い布一枚なんだから仕方ないじゃん?」
「だからって……」
「あーもしかして感じちゃった?」
「違う!これは驚いただけだ!」
「ふーんじゃあ今度はもっとエロい感じでいくね?」「ふざけるな!」すぱんと叩くと侯輝のバニー耳が飛んだ。
「ひどーいバニーの命なのにー」
「知るか!もういいな!着替えるぞ!」
「えーもうちょっと見てたいなー」
「着替える!」
結局着替えて店を出た。侯輝がこっそりストッキングを買っていたのを見たがちょっとだけあの感触に好奇心が沸いてしまったので突っ込まずにいた。
[newpage]
大通りを歩く。辺りは少し日が暮れかかっていた。昨晩のだるさは残っていてもこいつと一緒にいるとそれを感じさせないのはなぜだろうか。何より楽しそうにしているのが嬉しい。そんな楽しい日々がずっと続くといいと思いつつも、夕日を見ているとなんだか切なくなった。
瀟洒な家の合間から射す夕日で出来た侯輝の影が自分の方に伸びてくると普段太陽の様な侯輝も少しだけ静かになる。逆光となった侯輝の表情が少しだけ見辛くなった。侯輝は何を考えている?俺に何を望んでいる? 夕日のせいだろうか不安になって少し緊張して声をかける。
「まだ行きたいとこあるのか?」
「んーとね、こっちこっち」
相変わらずな口調でいつもと同じ様に腕を引かれて歩く。人通りの多い道を外れると人気のない路地に入った。薄暗い道だな……
「なあ……もう帰らないか?」
無言になった侯輝を見ると常に無い暗い瞳で見据えていた。
やばい。と思った瞬間に壁に押し付けられてキスされ舌を入れられ口内を蹂躙される。侯輝が無表情で俺を見ていた。付き合いだして間もない頃、同じ目をした侯輝の所業を思い出す。怖い……いや、あの時とは違うだろ、でもまた急にどうしたんだよ。
「……侯輝?」
未だ言葉もなく、侯輝は俺の服をゆっくりと脱がしにかかる。抵抗するが力が十分に入らない。また闇の精霊魔法を使っている?!今度は無意識か!強制昏倒させる程では無さそうだが集中し意識を強く持っておく。あの時とは状況が違う事に、侯輝の瞳が揺れている事に賭けて問いかける。
「ちょっ!待てって」
「……黙って」
やっと放たれた声は沈んでいる。焦るな焦るな自分。
「侯輝。落ち着け」
「……ごめんね」なんでだよ「謝るくらいならやめろ。なんでいきなり盛ってんだ。…発情期か」
「……うん。そうかも」笑いもそして怒りもしないか「まず離せ。帰る。帰るぞ!侯輝!侯輝!……侯輝」
「……なあに?」今度はちゃんと教えてくれ「なんでそんな悲しげな目で見るんだよ。ちゃんと話せ」頼むからと、力の入らない手で侯輝の頭をぽんと撫でる。
「……俺さ……ずっと不安だったんだよね……天理の事好きで結婚したけどさ……俺なんかでいいのかな?とか……俺なんかよりいい奴いるんじゃないかな?とか……俺、痛っ」とりあえず手刀で止めておいた。まったく、楽しげにしてたと思ったら急にこれだ。定期的になるお前をどうしたら安心させてやれるだろう。そんなの俺だって不安なんだぞ?魔力で抵抗して気合いで胸ぐら掴んで引き寄せる。どうかお前に届いてくれ。
「俺の旦那を馬鹿にすんのは大概にしとけ。馬鹿。俺はお前以外いらんし興味もない。お前がいいんだ。お前じゃなきゃ駄目だ。わかったら二度とお前を貶めるような事言うな!」何度だって言ってやる。「今更身なんて引いたら承知しない。覚悟しろって言っただろ?わかったか?!」
睨みつけると侯輝は真っ赤になってこくりと肯く。暗く沈んで瞳に光が少しずつ取り戻されていく。体に力が入る様になると、侯輝を抱きしめた。
「愛してるよ。侯輝」
侯輝は嬉しそうに微笑むと俺を抱きしめて、キスをした。
「落ち着いたな?侯輝。さ、帰るぞ」愛おしく見つめながら優しく語りかける。侯輝の目に自分が映っていることに安堵すると軽くキスを贈り離れた。
「うん。そうだね帰ろうか」
離れる時に切なげに目を細めた侯輝が名残惜し気に囁いたのを聞いてドキッとする。侯輝に乱された服を整えると、侯輝の手を握り手を引いて帰路を歩き始めた。一瞬驚いてこちらを見る侯輝と目が合ったがふっと笑う。
「たまにはいいだろ?」
「うん!」
満面の笑みの侯輝が握った手に力を込める。
来た道とは異なり人通りの少ない静かな道を帰る。手を引きながら以前侯輝がこうなった時の事を思い出してみる。あの時も不安が強くなった時だった。あの時はいつも一緒に行ってた遺跡探索に都合が悪くて一緒に行けなくて。俺が他のやつと行ったのが引き金で嫉妬全開で俺に襲いかかってきた。でも今はもう俺の心がお前にしか向いてないって知ってるはずだ。今度は自分自身への不安か。いつも自信過剰なくらいなのにな。もっとお前が愛されてるんだって分かって貰うにはどうしたらいいだろう。
「なあ、これからも、もっと二人でいろんな所に行こうな」
「うん、もちろんだよ」
そう言って繋いだ指に力を込めた侯輝に、俺も同じように返す。少しだけいつもの調子が戻ってきただろうか。
「……なあ侯輝」
「ん、なぁに?」
立ち止まり侯輝を振り返り侯輝の瞳を見つめた。
「お前を抱きたい」
以前一度だけ侯輝に請われて抱いた事はあった。以前侯輝がこうなった時の後だ。あの時もお前は不安でいっぱいだったよな。侯輝を安心させたい。お前がどれだけ愛される存在なのかを分かって欲しかった。いつもお前が俺を愛して抱いてくれるように、俺もお前を愛したい。
「え?えっ!……嬉しい。あ、あれ?嬉しいよぅ…」ポロポロと零れる涙に侯輝自身も驚いていた「なん……だろう?なん……か……止まらない……ごめ……ん」
謝るなよ。お前は何も悪くないんだから。涙を流す侯輝をそっと抱きしめる。
「いいんだ。いいんだよ。俺こそごめんな。いつもお前に甘えてて」
冗談めかして抱いてやるなんて言った事はあったけど本気でお前を欲しがった事は一度も無かった。いつだって欲しがってるのはお前の方だって決めつけて、どこかで役割を縛り付けてたな。俺も、きっとお前自身さえも気づかない内に。
「違う!俺が!俺が勝手に!俺なんかより!ごめん!ごめんね!」
ああ、やっぱりまだ不安だったんだな。
「謝るなよ。俺はお前だから欲しいんだ。お前じゃなきゃ駄目なんだ。お前は?俺じゃ駄目か?」
何度だって言おう。お前が安心できるまで。お前自身が本当に俺に自信を持ってくれるまで。結婚したってのに俺達はまだまだ足りてなかったな。
「そんな訳ない!俺は!俺だって!天理じゃなきゃ嫌だ!」
「うん。ありがとう。侯輝」
少しだけ上の位置にある侯輝の顔を引き寄せると唇を触れ合わせるだけのキスをした。
「うん」
嬉しそうに微笑む侯輝が可愛くてもう一度キスをする。今度は深く長く。「ん……ふっ……んんっ……」息継ぎのために口を離すと、今度は侯輝が追いかけてきてまたキスをする。何度も繰り返しているうちに、段々とキスが深くなっていく。
「そろそろ…帰るか。ここじゃ続きできないしな」
「うん…」
名残惜し気に離れた侯輝が顔を赤くして肯く。
手を繋いで帰路を歩く「天理最初は俺と手を手を繋ぐだけでカチコチに固まってたのにね」余裕が少し戻ってきたのか、少し楽しそうにまだ記憶に新しい俺の恥ずかしい話をされる。
「それは忘れろ」
「やだよー天理と初めて気持ちが通じあった後の事だもん。それだけ俺の事意識して貰えてるって嬉しかったんだから」
ニコニコと嬉しそうに笑う侯輝に、俺は苦笑いしか返せない。あんな状態でもお前が喜んでくれてたなら良かったが。
「それが今はさ、こうして俺を引っ張ってくれてるんだよね。そう思うとさ」
「悪かったな頼りなくて」
背伸びしていただろうお前に、カッコつけようと頑張るお前に甘えてたな。
「ずっと見守っててくれた天理と対等になりたかったから頼られてるのは嬉しかったよ。でもこういうのもいいな」
「そう思ってくれるなら良かったよ。お前素直そうに見えて肝心なところ言ってくれてなさそうだったからさ」
「あ、あはは。うん、そうだね。俺もちょっと意地になってた部分もあったかも」
家に辿りつくといつも通り希守がひょっこりとお出迎えしてくれた。留守番を労いながら頭を撫でていると珍しく侯輝の頭を撫でようと手を伸ばしていた。一見いつも通りに見える侯輝だが精霊の希守には違って見えるのだろうか。
「わぁ撫でてくれるの?ありがとー」
侯輝にはなかなか懐かなかった希守に喜んでいる侯輝が希守に撫で返しているのを見て微笑ましいと思うとともに、少しだけもやもやとした感情を覚える。ああこれが嫉妬ってやつだな、どちらに対してだろうと呑気に考えていると希守は俺にも手を伸ばしてきたので屈んでやると同じく撫でられた。
「あ、俺も撫でる!」
「お前はいいだろ」希守との挨拶なんだからと笑いながらそう返すと「いいから撫でるの!」と問答無用で撫でられた。希守はそんな様子をニコニコと眺めるとまたスゥっとどこかに消えていった。
「あ、じゃあ今日は俺が先に風呂入るね」
夕食を二人で作り食べ終わると、侯輝が少し照れながら後孔の…抱かれる準備をする為の宣言をする。帰る最中で大分いつもの調子に戻ったので忘れられていないか少し心配したものだったがちゃんと覚えて貰えていたらしい。
「ああ、後から一緒に入っていいか?準備できたら呼んでくれ」
「うん。わかった!」
はにかみながら浴室に向かう侯輝を見送り食事の後片付けをする。
「あれ…」
少しふらつきを覚える。昨晩は遅くまで侯輝に抱かれていた事に加え、朝から街で1日侯輝の着せ替え人形だった。流石にちょっと疲れていた事を何十時間かぶりに一人になって思い出す。俺あいつと一緒にいる時は生命力でも貰ってんのかな?この後に備えてソファに座り一休みする。そういえば侯輝の闇の魔法から抵抗するのにも少し魔力を消費していた。こんな状態でまともに侯輝を抱けるだろうか。眠気までしてきた。しかも股間に違和感を感じる。
「うわ…まだ早いってかコレは…」
まだ刺激も妄想も何もしていないのに中心が昂っていた。所謂疲れマラという奴だ。
「まぁ……仕方ないか」
侯輝が風呂から上がる前に処理しておかないと…………
ん…?気持ちいい…?あれ?何やってるんだ俺は。
「あ、起きた?」
「んん…」寝ぼけ眼で声の方を見るとそこには足元に跪き腰にバスタオル一枚で俺の中心を舐めている侯輝がいた。
「おまっ!なにして!?」慌てて飛び起きる俺に「呼んでも来ないからもしかしてと思って出てきちゃった。ごめんね、俺が昨晩から疲れさせちゃってたよね。大丈夫!全部やるから!」なんて言いながらまた俺のモノを口に含んだ。
「いやっそういう問題じゃ俺風呂まだぁっ!」
うわだっっっせぇ……。恥ずかしさで思わず天を仰ぎ片手で目元を覆う。俺が抱くっていいながら風呂で待たせてた上に寝落ちしてるとか。今日は本当にちゃんと抱きたかったのに。そう反省する間にも侯輝が俺のものを口で愛撫しながら後ろの準備をしている。
「あっ、くぅ……侯輝、もういいから……」やばい、今日はマジで1回で沈みそうだ。俺の言葉を聞くと侯輝は俺の上に跨ってきた。
「ちょっと待て、騎乗位とか大丈夫か?侯輝。まだお前2回目だろ、ちゃんと慣らしたか?」
普段抱かれてる俺はともかく、以前抱いてから大分間がある。ほとんど後ろは閉じているはずだ。侯輝の後ろに手を伸ばし、後孔を探る。
「だ、大丈夫だってば、どれくらい準備すればいいのかは天理で知ってるんだから」
少し赤くなりながら抗議してくる侯輝にそれでも痛い思いをさせたくなくて、後孔につぷりと指を入れる。何本かスムーズに入る事を確認した。
「…これなら大丈夫かな。無理してないよな?」
「もう心配性なんだから。でも、ありがと。俺も早く天理に抱かれたかったから」
「すまん…かっこつかなくて」
「いいの、そんなの。俺天理にはじめて抱きたいって言って貰えてそれだけですんごい嬉しいんだから。無理させてるの俺なんだから、ほんと今日は任せてね」
侯輝は頬を染めながら真っすぐ俺を見つめてそう言った。うわ年下の伴侶が可愛くて仕方がない。
「じゃあ頼む、息吐きながらゆっくりだぞ」
「うん…」
侯輝は俺の肩に手を置き、ゆっくりと俺に腰を落としていく。
「ん……んん……」
少しずつ腰を落とす度に苦しそうにする侯輝に申し訳なさを感じながらも、俺のモノが侯輝の中に飲み込まれて行く様に興奮を覚えていた。やがて俺のモノが侯輝の一番奥に届く。侯輝は俺の肩に手を置き俯き、はぁはぁと荒く呼吸を繰り返す。馴染ませる間、侯輝を引き寄せるとキスをした。
「んん……」
舌を絡めると侯輝も応えてくれるのが嬉しくてつい夢中になってしまうが、そろそろ動いてもいいだろうと思い、侯輝に声をかける。
「大丈夫か?動けるか?」
「う、ん……だいじょぶ……」
俺の問いに侯輝は小さく答えるが、やはり辛そうだ。
「ごめんな、辛いだろ?俺が動いた方が良くないか?」
起き上がろうとすると辛いだろうはずなのにそこはガッチリと止められた。
「だ、め。俺がやるの。天理調子悪いんだから。俺の我儘に付き合って貰ってるんだから俺がやるの!」
「わかった…お前が上でいいから」
不甲斐ないばかりに俺がやってる感が大分薄れているが体力ではどうにも敵わないのでやってもらう事にする。
「うん。ありがと」
苦笑している俺にちゅっとキスをすると、ゆっくりと腰を上下に動かし始める。はじめはぎこちなかったが段々と慣れてきたのか動きが滑らかになっていく。
「んっ……んっ……」
俺の上で侯輝が一生懸命腰を動かしてくれている。その姿に愛しさが込み上げてくる。
「ぁ……気持ちいいぞ侯輝……」
「ほんと?よかった……」
侯輝は微笑むと動きを速めた。侯輝の胸の飾りを弄ってやるとびくりとした反応が返り、後孔を締め付ける。それがまた可愛くてつい執拗に攻め立ててしまった。
「あっ、あっ、それ気持ちいい……んん……ああっ」
素直な感想を漏らす侯輝に気をよくした俺はさらに侯輝の胸に吸い付くと侯輝の身体が跳ねた。
「ああっ!」
侯輝が甲高い声を上げる。俺はそのまま侯輝のモノを手で扱きながら、もう片方の手で胸を責め続けた。
「ああぁっ!そんなたくさんっ!ダメ!だよぉっ♡」
俺は構わず手の動きをさらに早めた。胸とモノへの刺激が強すぎるのか不慣れな故か腰が動きが鈍くなってきたが構わず続ける。
「あ”ーっ!出るっ!もうイっちゃっ♡あ“あああっっっ!!」
侯輝は俺の手の中で果てると、後孔をキュウキュウと締め付けた。
「あぁ♡ぁぁ、ぁっっ」
ビクビクと震える侯輝を引き寄せて口づけると耳元で囁いてやる。
「侯輝、腰が止まってるぞ?今日はお前がやってくれるんだろ?」
「あっ……うん……」
俺の言葉に侯輝は慌てて腰を動かす。俺の中心は侯輝の中に包まれていて、時折きゅっと締め付けられる。
「あっ、あっ、んっ、んっ」
「ぁあ…いいぞ侯輝、自分のイイとこ分かるか?当てて動いてみな?ほら、ここらへん」
最初よりは感じてきているが、より後ろで感じさせてやろうと教えるように少しだけ動いてイイところに当ててやる。
「ああっ♡そこいい……んん……」
俺の指摘に侯輝は気持ち良さそうにしながら、言われた通りに動き出す。体の扱い方に関しては何でも天性のものがあるのか適応が早い。
「あっ、んん……んん……あぁ♡……」
「そうだ…上手いぞ侯輝」
「あ、ありがと♡……あ♡あ、あ……」
俺に褒められて嬉しそうにしながら腰を振る侯輝が可愛い。今度は中心には触れずに胸だけを弄ってやる。「あ……あ……あ……」
「侯輝、気持ちいいか?」
「うん……気持ちいぃ♡……あっ…気持ちぃぃ♡…」
気持ち良さそうに動き俺に言われるままに答える侯輝に愛しさが込み上げる。侯輝はまたオーガニズムに近づいているのか中心に手を添えようとしてきたのでその手をそっと阻止する。当惑ぎみにこちらを見る侯輝をじっと見つめる。力付くはどのみち無理なので言葉で制止させる。
「侯輝、今度は後ろだけでイってみな」
「え、でも…」
「いいだろ?今日はお前が頑張ってくれるんだろ?俺はお気持ち良くなってる可愛い侯輝を沢山見たい」
「俺、可愛くなんかないよ……」
「じゃあ今度鏡の前でやってみるか?俺のモノを美味そうにくわえてる侯輝の顔、可愛くてエロいぞ?」
俺はお前にやられて死ぬほど恥ずかしかったぞ?言いながら乳首を軽くつねる。
「あっ!うわぁぁん!ごめんなさいぃ。もうわかったから、俺頑張るから意地悪しないでぇ!」
俺の脅しに侯輝は半泣きでそう言う侯輝を宥めるようにキスをしてやる。
「ごめんって。もう虐めないから。な?」
そう言って頭を撫でると安心したのかまた腰を動かし始める。
「うんっ……んっ……ぁっ……んっ……あぁっ♡……」
胸の刺激を助けてやると声が高くなったがやはり後ろだけではまだ達せないようだ。俺が腰を動かそうとすると今日はダメ!とばかりに腰を押さえつけられる。俺はいいけどお前がイケずに辛いままなのは俺も辛い。もう少しで達せられそうなのだが…それでも懸命に後ろだけで達しようとする姿に侯輝を思わず引き寄せる。思った事をそのまま言葉に乗せる。
「可愛い、可愛いぞ侯輝…大好きだ…」
「ああっ♡♡!」
うっとりと呟いたその言葉に侯輝はびくりと身体を震わせると、締め付けが強くなる。眉を潜めながらも嬉しそうにすると、動きが早く、矯声が一層高くなる。揺れる中心から漏れる前走りが俺のシャツに散る。
「天理!ああっ!俺も!天理!好き!もっと言って!俺の事大好きって言って!!」「ああ、好きだ、大好きだ、愛してる、侯輝」「天理♡天理♡あ“ああっっ!!!」
侯輝が身体を大きく仰け反らせ、中心からは勢いよく精液が飛び散った。俺はそれを手で受け止めてやるが、あまりの量の多さに大半は俺のシャツこぼれた。ちゃんといかせられて良かった。
「あ……あ……あ……ぁ…」
「っ…大丈夫か侯輝?」
「うん……へーき……」
はぁはぁと息を荒げ震えながら侯輝は答える。俺は侯輝の身体を抱き寄せ、頭を優しく撫でた。
「あ……ありがと♡えへへ……俺、がんばれたかな……?」「ああ、偉いぞ侯輝。可愛いかった」微笑みながら俺はそう言うと、侯輝に口づけた。
「んっ……」
俺に口づけられながら侯輝は幸せそうに微笑むと、俺に抱きついた。
「……ごめんねシャツ汚しちゃった…」
「いいよ、それは」
「あと…やっぱり天理、前だけじゃイケない?」
「うっ…いいって俺の事は。今日は俺がお前を可愛がりたいんだから」
相も変わらず俺の後ろが疼いているが。
「一緒に気持ちよくなりたいんだってば。じゃあ俺もっと頑張るね。任せて」と俺のシャツを脱がし始めると俺に刺激を与えるべく腹から胸に手を這わせる。
「っ…侯、輝」
体力差、体質相違、侯輝と同じように抱くことなんてできないと分かっちゃいるけどもどかしい。少なくとも一回り大きい侯輝を背面駅弁なんて一般人程度の俺には無理だ。苦々しく思う俺の心を察したのか侯輝は俺の頬にキスをする。
「俺が頑張るから。だからそんなに焦らないで。俺がしたいのはそういう事じゃないから」
「……そうだな、ありがとな侯輝」
俺の返事に侯輝は嬉しそうに笑うと、再び俺にキスをした。そのまま唇を下に移し俺を抱く時のように痕を残していく。俺の中心は侯輝に埋め込まれたままなのに変な気分だ。侯輝は再び腰を上下に動かし始めると俺の胸の飾りに吸い付いた。
「っ、ぁ!侯、輝」
「んっ、天理。もっと、俺で気持ちよく、なって?」
確かに俺が犯してるのに、犯されているような、いつもの様な感覚に陥る。ああでも侯輝も俺を抱いてる時凄い顔してるよな。なりふり構わず抱かれる様に抱いたって侯輝が喜ぶならそれでいいじゃないか。
「ああっ、侯輝、俺を気持ち良く、してくれ、一緒にっ!っあ!」
「うん♡!」
と、俺の中心が締め付けられる、侯輝が破顔すると俺の胸に手を這わせてくる
「んっ!っあ!侯輝!」「あっ、気持ちいいっ!天理!ああっ!おっきくなった」
侯輝は嬉しそうに俺の乳首を指先で弄ぶと、勝手に俺の腰が揺れ侯輝を突き上げたが今度は止められなかった。
「あぁ、ぁぁ!あっ!好きだ!侯輝!ああっ!」「俺も!俺も好きだよ、あぁっ!愛してる、愛してる、天理♡天理♡あ“あああぁっ!!」
侯輝の金色の瞳と絡み合うと噛みつく様にキスをされる。侯輝が俺の乳首にきつく摘まみながら腰を叩きつけるのと俺が下から突き上げるのが同時になると頭の中と下腹部が同時に弾けたような感覚に陥り俺は侯輝の中に吐き出した。同時に侯輝も達し俺を絞り取ろうと締めつけ蠢いた。
「はあっ、はぁっ、はぁっ…」
「ふ、あ、ぁぁぁぁ♡…天理のあっつい♡…気持ちぃぃ♡♡」俺の身体の上に倒れ込んだ侯輝の身体を抱きしめると、俺達はどちらからともなく口づけを交わした。
「……ふぅ」
「……良かった天理?」
「ああ、ありがとな。悪い…俺は打ち止め」
「上手にイケたね天理。無理しないで、お疲れ様」
ニコニコと言われてしまう。
「ホントなんで抱いたお前に言われてんだよ俺は…お前に俺が言うセリフなんだぞそれ」
今後俺が抱く場合はずっとこうなんのかなと俺は頭を抱えた。納得したはずだが腑に落ちない。
「だって俺の方が体力あるし?ちゃんと気持ち良くできてるからいいじゃない。俺も気持ちいいし」
「それはそうなんだけどな……俺だってお前がしてくれるみたいにお前をどろっどろに溶かして甘やかせて気持ち良くあんあん言わせたい。一回ぐらいは」
だがどう頑張っても俺は侯輝より体力が無い。
「天理も男の子だったんだねぇ…」
「そうだぞ?忘れんな?」
「忘れてないよ。今だってこうして求めてくれたしさ。でも俺に抱かれてる時の天理可愛いしエロいからさ。ついさ」
「あーくそう!……贅沢な悩みなんだって分かってるよ……可…愛いとか言って貰えて、気持ち良くして貰っててさ。でもお前にもそうしてやりたいんだよ…」俺は頭を抱えてしまった。
「ん~……俺が抱く時はいつも余裕ないんだよね俺」「え?そんなこと無いだろ?いつも凄いし……」
「ううん、いつも必死だよ俺。だって天理に嫌われたくないもん」
「そんな事で嫌ったりするかよ」
「でしょ?でしょ?俺が抱かれる側でも、気持ち良くしてあげたいって思うし、それに……」
「それに?」
「天理のおかげで俺も抱かれるの好きになったし♡俺の事抱いてる時の天理も可愛いしエロいし♡」
「っ!」恥ずかしくて思わず顔を背けると耳元にキスをされる。
「あぁもう!俺だってお前が可愛くて仕方ないんだからな!?」
「あははっ!俺も!大好き!愛してるよ!俺ね、凄く幸せなんだよ。好きな人と一緒でさ。好きな人に気持ち良くなって貰えるなら、それでいいやって思ってるし」「…そうだな分かった。お前がそこまで言ってくれるなら、まぁ、いいか。ありがとう侯輝、俺も幸せだよ」と、微笑しながら頭を撫でてやる。
「ふふっ、ありがと天理。俺ね、今凄く幸せ。でも、もっと幸せにしてみせるから」
「ああ、一緒に幸せになろうな。俺の旦那様」
「っ!!うん!俺の、奥さん!」
俺達は額をくっつけて笑い合う。ああ、幸せだ。
寝落ちする様な状態で体を交え正直疲労困憊状態だった俺は、一人で入浴したら確実に溺死するからと押しきられ抱いた伴侶にいつも通り風呂に横抱きで搬送され、洗われ拭かれ着替えさせられてベッドに運ばれた。解せぬ。
「つ、疲れた……」
俺はぐったりとした体を横たわらせられながら小声で呟く。目蓋が重い
「お疲れさま。ごめんね?無理させちゃったね」
「いい、ありがとな…」
「ふふっ、いいよ。だって俺も嬉しかったし」
「なぁ……侯輝、お前今日なんで急に…」
「ん、ちょっとね、夕日見てたら不安になっちゃたかな」
「……そうか」
言えない事もあるだろう。でもどうにか力になりたくて手を握ると握り返された。
「…それよりほら、眠いんでしょ?おやすみ」
「ああ…おやすみ…侯輝……….ずっと…一緒……だからな……」
お前がもし言いたくなった時の為にちゃんと待ってるから。握る手と侯輝の撫でる手の温もりを感じながら俺は眠りに落ちた。
[newpage]
「ずっと一緒にいて。天理」
俺は天理の頬を優しくなでると、眠る天理の左手薬指に嵌められた銀環に口づけを落とした。
天理、俺の最愛の人。俺を愛してくれて、俺を好きになってくれて、俺を救ってくれてありがとう。俺を好きにさせてしまって、ごめんね?でも、俺を選んでくれた事、本当に嬉しいんだ。
我儘な俺の願いを叶えようと頑張っていつもクタクタになってしまう天理。それでも俺を受け入れてくれる度に俺がどれだけ満たされたかなんてきっと分からないよね。俺はね、天理、いつも、いつだってその優しさに甘えてばっかりで、情けないんだよ? だけど、俺はこんなに幸せなんだ。俺が幸せでいる事で、少しでも、天理が幸せに思えているのならいいなって思ってるんだ。だって、天理、俺はもう幸せすぎて、怖くなるぐらいなんだからね? 俺は天理の額にそっとキスをした。どうか、この優しい愛しい人の目覚めが穏やかであるようにと。
天理、もし俺がおかしな存在でも受け入れてくれるかな。今までかけてくれた言葉は疑ってないけれど、それでも怖いんだ。受け入れてくれた君が壊れてしまうんじゃないかって。どうか知らずにこのままずっと……
どれくらいの時が流れただろう。ここがどこかも分からない。光ある世界から閉ざされて時がどれだけ過ぎたのかも分からない。自分の回りには様々な思いの塊が混ざり合ってぐちゃぐちゃに渦巻いていた。怒り、悲しみ、不安、恨み、嫉妬…自分がもう誰なのかも分からない。
ここから出たい…誰かここから出して…けれど閉ざされた世界から声は滅多に届かず、稀に届いても得体の知れない禍々しい自分を助けようとするものはいなかった。
「なんだろう、これ?母さんなら分かるかな」
穢れのない魂がこちらに気づいた。好奇心に満ち溢れたまだ小さな命だ。自分は諦めながらもまた助けを求めた。
『助けて…ここから出して…』
「外に…出たいの?こんな所に居たら寂しいよね…」
出たい。出して欲しい。ああでもダメだ自分は外に出てはいけない。その小さな穢れない魂を感じていると自分があまりにも汚れすぎていて、その魂を穢したくなくて、それまで焦がれていた外の世界を拒んでしまう。
「どうすれば出してあげられるのかな」
こちらの葛藤にも構わずその小さな穢れなき魂は扉に触れた。
『だめだよ…君は開けてはいけない』
開けたら君は自分の穢れに耐えられずにきっと死んでしまう!
「…?そうだ!俺の名前は…」
その魂は名前を告げると名前を聞いてきた。自分の名前なんてあるんだろうか。答えに逡巡していると君は続けた。
「名前ないの?精霊みたいなものなのかな?じゃ、じゃあ俺が付けていいかな?えっと…」
その小さな魂は少し考えると名前を挙げた。今読んでるお話のカッコいいショーグンの名前からなんだと楽しそうに告げるとその名前が欲しくなった。
「ど、どうかな?他の名前がいいかな?」
ああこの魂の居る外に出たい。でも、でもダメだ…
「俺を呼べよ!助けろって言えば俺はどこにだって行ってやる!」
突然の声と強い光が視界を満たし、自分が必死に抑えこんでいた扉が開かれた。ああこの声は。
声が聞きたい。
夜中目が覚めると、隣にはまだ眠っている愛しい人が居た。声が聞きたかったけれど起こすことができなくて寄り添うだけにする。ねえ天理、俺、側にいてもいいかな?俺はここに居ても良いかな? ふわりと抱きしめられる感触があって目を開ると寝ぼけ眼の愛しい人の顔があった。
「侯輝…?そんな…辛そうな顔、すんな…」
掠れた声で囁かれ頭を撫でられると額にキスをされた。それだけで心は穏やかに落ち着いていく。ずっとこのまま眠りについてしまいたいくらい心地良い。天理に抱きしめられていると全てが守られ包まれているような不思議な感覚に陥る。
聞きたかったその声でそれだけを告げると君は眠りにつく。折角慰めてくれたのに俺は、俺の心の中がぐちゃぐちゃになってしまって泣いてしまった。
「うん……うん……」
眠っているはずの抱き締めてくれるその手に力が籠り、温かさに包まれていると俺は眠りにつくことができた。
3日程が過ぎ、俺は冒険依頼を完遂させると夕方になり帰宅する。いつものように天理にただいまの挨拶と愛妻が作ってくれた食事と一緒にお風呂を済ませてベッドの上で愛し合う。平日だし明日もお互い仕事なので、盛り上がり過ぎない様に先日買ったSMグッズやコスプレ衣裳は週末までお預けだ。凄く気持ちいい激しいプレイもいいけれどやっぱりゆっくり愛を確かめながら正常位でイチャイチャするのが一番好きだ。
「んっ…ぁ……はぁ……はぁ……はは、今日もいっぱい出したな……」
天理からゆっくりと自身を引き抜くと小さな吐息を漏らしながらまだ余韻を残した体で微笑まれる。その表情を見ているとうっかりまた盛り上がりそうになるが今日は我慢。もう愛情なら十分貰えたしね。
「えへへ、俺もう満足だよ。ありがとね」
「そうか……良かった」
照れたように小さく笑う天理が愛おしくて仕方がない。
「あーもう!天理可愛い!大好き!」
「はいはい…」
俺は天理を抱き寄せるとキスをする。舌を差し込むと応えてくれるのが嬉しい。そうイチャイチャしていると少し意を決したような表情で切り出してきた。
「な、なぁ侯輝、思ったんだが、俺SMプレイでSならお前を満足させられるように頑張れるんじゃないかと思ったんだが、お前どう思う?まだ知識ないからこれから覚えるんだが」とまだ己が抱かれた余韻もまだ残したこの状況で大真面目に次に己が抱く話をし始める愛しい伴侶に当惑せざるを得ない。どうやら先日俺を抱いた時の事でまだ思うところがあったらしく一生懸命考えた結果がこれらしい。決してお前に抱かれるのが嫌になったとかじゃない!と付け加え力説する姿は可愛らしくも困惑はおさまらないよ天理。
「俺はMやってもいいんだけど…ホント天理のそういう頑張って真面目に返してくれようとする所、好きだけど、無理しないで?」
言い聞かせる様に天理の肩に手を置く。
「俺Sもだめか?お前は両方いけるって言ってたから試そうと思ったんだが。怪我させないし、痛くしないぞ?」
不安そうに一生懸命アピールしてくるのでなんとかしてあげたいと思うんだけど…
「痛くさせるのがSだから…」天理、向いてないと思う。
「ああそうか…じゃ恥ずかしがらせればいいんだよな?」
「そうだね」言えるのかな、この恥ずかしがりの奥さんに。
「痛くする方は…鞭とか?ローソクとか?でいいのか?」
「他にもいろいろ道具使ったりするみたいだけど…俺体は丈夫だけど俺も初心者だしそんな感じじゃないかな。あとはこの間買ってきたグッズとかで」
「分かったそれでOKだな。で、お前にやっていていいか?」
「天理がどうしてもって言うならいいよM側でやるよ」
「ありがとな!侯輝。じゃあやり方調べておくな!」
ぱぁっと安心したような顔をすると、図書館で調べればいいよなと呟きながら天理は眠りについた。
大丈夫かなぁ。
そして迎えた週末。そっか今日は俺が抱かれる方なんだなといつもよりドキドキしながら帰宅した。
「ただいま!」
「おかえり、侯輝。ご飯できてるけど食べるか?」
「うん、ありがとう。着替えてくる」
「ああ、ゆっくりな。その間に準備しておくから」
そう告げると天理は台所に戻っていった。俺は寝室に入り荷物を置くと着ていた物を脱いでいく。下着一枚になると鏡の前でポーズを取ってみる。うん、いい感じ。今日は抱かれる側なんだし、セクシーに決めなきゃね…SMプレイするって意気込んでたのが気がかりだけど。鏡越しに見えた希守がぽかーんとしてたけど、また恥ずかしかったかな?
服を着直し食卓につき晩御飯食べる。天理の料理の腕も着実に上がってきてる。美味しい。
「ごちそうさま!今日もおいしかったよ!」
「お粗末さん」
食器を洗い終えお風呂で支度するとドキドキしながら寝室で待つ。
「ちゃんと図書室で勉強してきたからな!じゃ、はじめるぞ」と紙袋を持った天理が寝室に戻ってきた。そんな天理も可愛いけどムード作りも勉強してぇ天理ぃ…
魔術学院の図書室、SMの資料もあるんだと思いつつ、新しい紙袋が気になった。
「何か買ってきたの?」
「鞭。初心者向けって言われた。買うの恥ずかしかった…」と言って天理は以前買ったグッズと合わせて鞭をテーブルの上に並べる。ギルドは買いにくかったので店を聞いてアダルトグッズ専門店で買ったらしい。そっちのがハードル高くない?でもこうと思ったら行動しちゃうよね天理は。
「店は誰に聞いたの?」
「同僚の後輩から聞いた」
「結婚式に来てくれてた古代史科の男の人?」
「ああ、よく覚えてるな。図書室で調べてたら、たまたまな」
そりゃ天理の周辺の人間関係は把握してるからね。
「気をつけてね?」
「?……!大丈夫だって!あいつは!」
「分からないでしょ!天理が気づいてない事多いんだから!」この天然タラシ!
「あいつは二次元の彼女にしか興味ないから大丈夫なんだよ!」
「そっかー…でも気をつけてね?」
「それに俺が浮気するわけないだろ?お、前一筋だぞ?」
「うん。そこは信じてるよ」
指輪は欠かさずしてくれている天理だけど、天理に万が一の事を考えると心配なんだよね。
「まぁはじめるぞ。えーと服脱いで拘束させてな」
「はいはい脱いだよ付けてね」と下だけ全部脱いで手早く新しい手錠や拘束具を装着していく。
「あれ?下だけか?」
「あえて着衣を残す事で興奮させるんだよ♡」
「そうなのか…こんなもんか?これで動けないよな?」以前天理がしたのと同じ格好になる。
「うん、動けないね」
手は後ろ手で動けず、脚は開いたまま動けない。
「じゃ始めるからな。痛かったら言ってくれよ。絶対我慢するなよ」
天理は緊張気味に鞭を持つ。
「わかった。痛くても絶対に言わないから安心して?」
「それはそれで怖いから言ってくれ…。じゃいくぞ」と恐る恐る俺を軽く叩く。
「もうちょい強めでいいよ?俺丈夫だしビシッといって♪」
「お、おう」バシンッといい音が鳴り響く。
「ん!結構痛いかなこれ。まだ大丈夫だけど」
冒険時の怪我とかに比べたら手加減丸分かりの天理の鞭はそよ風の如しだ。
「そ、うか。次は蝋燭垂らすからな。…これやる方も気を付けないと熱いな…ちょっと垂れてきた」
蝋燭に火を付け、慎重に俺の太ももの辺りに近づけていく。リラックスアロマが香ばしい。互いにちょっと緊張しながら待つとポトリと赤い滴が太ももにかかる。
「あっつい!!」思わず声が出た。
「ごめんな!すぐ冷やすからな」
天理は用意してあった水で濡らしたタオルで太股を拭き取ってくれた。
「冷たいけど気持ちいいかも。次どんどんいって」
「そうか?!良かった。じゃあ、覚悟しろよ?」
今度は尻を思いっきり叩き始めた
「いっっ!痛った!」
お尻叩かれたの何年振りなんだろ。お母さんかな?
「やっぱり痛いよな!?ごめんな!今止めるからな!」
「いいから、続けて。多分この方が効くから。…お願いします。あと10回くらいやってください!」
口調を変えてお願いしてみた。天理主導だとイマイチSMっぽさがでないのでリードしてみる。
「効く、のか?分かった。そうか、お願いさせなきゃだよな。おし。じゃあお願い聞いてやるな」
天理は気合いを入れると尻を音を立て叩いてきた。
「くっ……!!痛いけど……なんか変な感じ…です」
「そうなのか?痛くないか?」
「大丈夫です!」
痛みはあるが耐えられない程ではないし、むしろこの感覚がクセになりそうだ。
「そうか……じゃ続けるな」と再び叩く
「ああっ!ありがとうございます♡」
天理がノッてこれるように大袈裟に喘ぎながら言う。
「ぇぇ…。コホン。た、叩かれるの好きなのか?」
天理、ちょっと引いてるけど頑張ってノッてこようとしてるので演技を続けてみよう。
「はぃ、好きですぅ♡もっと叩いてくださぁい♡」
「じゃ、じゃあ遠慮なく。そら気持ちいいか?!」とさらに強く叩き始める。
「ああ、最高ですっ♡天理さん大好きです♡」
「お、俺も好きだぞ!愛してるぞ!他にして欲しいことあるか!?」
天理そこ素で返事しちゃうんだ、嬉しいけど。
「天理さんの足で踏んで欲しいです!」
「え…どこに?」
「どこでもいいですぅ!」
「………ちゃんとお願いしないと」
困った末に聞いてきた。天理、判断を丸投げしたね?
「俺のペニスにお願いします!」
「ぺ…!よ、よし」とちょっと赤くなりながら、そっと足の指で俺の中心を踏む天理。
「ああ♡ありがとうございます……」
「痛いか?」
「いえ……大丈夫です。そのまま続けて下さい」
「わ、わかった」と言ってゆっくりと踏みはじめる。
「ん……あ……はぁ♡……」ちょっと気持ち良くなってきた。
「痛くないのか?」言いつつ足を動かしつづける天理。
「ああ、天理さん、素敵です。最高です♡もっと、もっと強く!」と俺は喘いだ。
「こうか?」と力を込めて気持ち良さそうな所をぐいっぐいっと何度か踏みつけられる。
「あっ♡あっ!あっ!はぁ、イキます♡イクっっっ!!!」
勢いよく射精した。
「うわっっっ!ちょ凄いな……」
驚く天理。せっせと甲斐甲斐しく散った白濁を拭き取っている。
「はー、最高です。……天理?片付けてないで続き続き」
「あっそうだな!じゃじゃあこれお前で試していいか?」とブジーを取り出した。
「うん、いいよ。そうだ!ねぇナース服着てナースさんみたいな感じでやって!」
普通のSMプレイだといまいちノれない天理だけど想像力は豊かな天理ならシチュエーションを指定すればいけるのではないかと閃いた。
「え?俺入れる方だよな?」
「そうだよ?お注射してやるって言ってたじゃない」「あれ冗談だったんだが…分かったそういう事なら着替えてくる。看護師さんだな?」
天理は一旦自室に着替えに戻った。天理、ナース服自室に置いちゃってるんだね…。ワクワクしながら待っていると寝室に戻ってきた。先日一緒に購入した薄桜色のミニスカナース服だ。ロングのニーハイソックスとミニスカとの間にできた絶対領域が眩しい。普段なら抱きたい気分になるけど今日は抱かれる側だ。
「はい、侯輝さん、今日は尿道治療の為の治療をしょうね〜」
棒読みで言いつつベッドに乗り、俺の開かれた股の間に正座して座るとトレイに入れたブジーと潤滑ゼリーを脇に置いた。
「お手柔らかにお願いします。ナースさん♡」
「そんな患者いるか!」
俺のモノを握りゼリーを塗り付けながらツッコミを入れる。
「あのっ!勃たせなくていいんですか!」
「ああ、その方がいいらしい…んですよー」
「へぇ~それも勉強してきたの?」
「当たり前だろ大事なお前の息子に関わるんだから」と言いつつ手際よく作業を進める。
「あ、ありがと」
なんだかプレイというより正規の医療行為の体をなしてきているけど、大切にして貰えているのが嬉しい。
「よし、こんなもんかな」と次にブジーを手に取ると慎重に挿入を開始した。「侯輝さん、息を吐いてリラックスしてくださいねー」
「は、はい」ブジーがゆっくりと入ってくる。「うっ……」
「痛くないですか?大丈夫…ですか?」
「痛くはないけど変な感じ…です」
「ゆっくり入れていきますからね」
ナース天理は俺のモノを伸ばし引っ張られながら慎重に少しずつ奥に進めていく。
「あ、あ、あ、あ」
「もう少しですよ」
未知の刺激にやや緊張気味に声をあげていたので優しく言われると安心感に包まれた。引っかかりで止まるとモノの角度を変え最奥まで到達した。
「はい、頑張りましたね、どうですか?」
「痛くはなくて…なんか、ちょっと気持ちいいかも♡」
俺以上に緊張していた天理はやっと一息ついた。
「良かった……、あ、まじめにやってください、侯輝さん、これは医療行為なんですからね」と注意される。
「ごめんなさい。つい。あ、あの!動かされるとなんだか変なんです!」
「…それは大変ですね。こうですか?」とゆっくりと動かされる
「あ、あ、あ!」
「だ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫です!もっと早くしていいです!」
「こうですか!」
気持ちよさですっかり勃ち上がったモノを持ち、ブジーを小刻みに動かされる度にペニスの根元の奥から射精しそうなゾクゾクする感覚を味わう。
「あ、あ、あ、あ!あ!ああ!」気持ちいい!でもこれ、出したいけど、出せないんじゃ?!「あ、あ、あの!イキ、イキたいです!」
「イッていいですよ……出せないからドライだけどな」え、嘘。天理はブジーを激しく動かしはじめた。イッっている様な感覚が断続的に襲ってくる。出したいという欲求で頭がいっぱいになるけど出ない。
「ああ!ああ!ああ!あああ! 」
「侯輝さん、もう出したいですか?」
少し興奮した様な掠れた声で天理が囁きかける。気持ちいい!気持ちいい!出したい!俺は必死に首を縦に振った。
「じゃあ、イキますね!」
ブジーを一気に抜かれると同時に俺は果てた。
「あ”ああああ!!!!」滅茶苦茶気持ちいいぃぃ…。「うわっ」
そして勢いよく飛び出した白濁は天理の顔面にかかった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、ああ、すみません!」
慌ててタオルを取ろうとするが、天理が手で拭うと舐めとった。うわぁエロいナースさんだ。仕草が艶っぽくて厭らしい。
「はは、元気ですね。侯輝さん?」そう言って微笑むと俺のモノをまた握ってきた。
「ま、待って!今いったばっかりだから!敏感になってるんです!」
「知ってます。ですが精密検査が必要ですので、もう少し検査しますね?」
うわ、ノリノリだよぉ天理。やっとSっぽくなってきたかな?ナースな天理はイッばかりで敏感になっている俺のモノの亀頭部分を手のひらで激しく擦る
「あああっ!!ダメっっ!!ああああ!!」
「侯輝さん、我慢して下さい。これは検査なんですよ」更にスピードを上げて責め立てる。
「あああっ!ああっ!出る!出ちゃいます!」
「大丈夫ですよ、いっぱい出しましょうね」
耳元で囁かれると俺の身体はビクビクと痙攣して限界を越えた。
「あ”ああああっっっっっっっっっっ!!!」
絶叫して精液とは違う透明な液体がナース服を濡らす。
「あらあら、侯輝さん、漏らしちゃいましたね?お薬飲みましょうか?」
荒い息をしながら震えていると抱き締めてよしよししながら耳元で囁いた。
「お薬、ですか?」
「ええ、私の体から作られるのでちょっとお口で手伝って貰えますか?」
天理はナース服のミニスカをたくし上げると下を脱いで中心を差し出した。やってて恥ずかしかったのか顔が赤くなっている。
「は、はぁい♡ありがとうございます!頂きます!」
天理のモノを咥えると舌を這わせて舐め回す。
「んっ……上手ですよ」
頭を撫でられると嬉しくなって夢中で奉仕する。
「っ、あ……そろそろお薬が、出ます、よ?」
「いっらい、ひょうらい、れんひはん」口に含みながら返し吸う力を強める
「っぁ…出るっ!」喉の奥に熱いものが注がれていく。「ゴクッ、っ、ケホッ、ケホっ!お薬、苦い、ですぅ」
天理のだし飲めない事はなかったけど飲みきれずに溢してみる。
「無理に飲むなよ?」
こういう時はおしおきしないとだよ天理。つい役を忘れて心配そうに拭いてくれている天理におねだりしてみる。
「ごめんなさぁい、お薬、上のお口からじゃ飲めないですぅ♡」
「わざとか?……困った患者さんですね。じゃあ座薬にしますか?」
苦笑しながら、俺をベッドに押し倒してきた。
「座薬は嫌だなぁ♡……」
「……困りましたね、どうしたらお薬飲んでくれますか?」
耳元で囁かれるとゾクゾクした震えが走る。
「あの!キスしてください!」
叫ぶとクスリと笑い優しく唇を重ねてくれた。
「これでいいですか?」
「は、はい……嬉しいです……も」っとと言う前に今度は深く重ねてきた。舌を絡め口内の敏感な所をなぞられ気持ちよくなっていると、唾液を流し込まれ頭がボーっとしてくる。
「大丈夫ですか?侯輝さん?まだお薬飲めませんか?他にして欲しいことありますか?」
優しくそう聞かれたので、もっと甘えてみる。
「は、はい…あのっ俺の乳首を弄ったり、吸ったり噛んだりして欲しいです!」
「…我が儘な患者さんですね」
クスクスと笑うと了承してくれた。
「じゃあ、失礼しますね」と服の上から弄り始めた。もう気持ちいいけど焦れったい。「あのっ直接触ってください!」
「いいですよ」と服をはだけさせると直接弄り舐め始めた。
「あ、あ、あ」
「痛くないですか?」
「大丈夫です!もっと強くしていいです!」
「こうですか?」と強めに歯を立ててきた
「あ!あっ、あ♡」
「気持ちいいですか?」
「気持ちいいです!」と答えると反対側も吸い付き、片方は指で潰したり弾いたりして刺激を与えてくる。「あ、あ、あ!あ♡あ♡」
「とてもいいみたいですね。侯輝さんまた元気になってますよ?」
乳首を口に含んだまま喋られるので吐息がかかり、ビクビクと身体が跳ねる。
「ああ、ああ、ああ!」と喘ぐと「とても元気で可愛いですよ」と微笑み、更に激しく責め立て始める。自分のモノが張り詰め、限界が近づいてきた。
「あ、あのっ下を!触って!」
「ん~それはダメです」と悪戯っぽく微笑まれた。
「えっ!?あ、あのっ!ああっ」
「乳首だけで上手に出して下さいね」と言いながら更に激しく責め立てる
「えぇ!ウソぉ、あ♡あ!ダメ♡あ!あ!ああああああ!!!」と絶叫しながら果ててしまった。こんなのやったこと無いよぅ…
「可愛いですよ、よくできましたね」
頭を撫でられると嬉しくて涙が滲んだ。
「さて、もうお注射は入れられそうですか?」
微笑み熱っぽい視線を投げ掛けながら、また昂らせた天理の中心を押し当てられる。後孔がヒクついて天理が欲しがっている…ああこれが天理がよく言っている事なんだなと理解した。
「あのっ入れて…欲しい、のと」
「なんですか?」
「耳元で愛を囁いて欲しい…です。俺が泣いて許しを請うくらい」
「…分かりました。体も心も癒しましょうね」一瞬目を見開き微笑むと優しく囁かれた「好きだよ侯輝…」
そう囁きながらゆっくりと挿入されるとゾクゾクと震えが走ってそれだけで達してしまいそうだった。
「あ♡あ、あ…」
「全部入りましたよ、頑張りましたね」
全て挿入し終わると撫でて褒められた。もう初めてでもないのに嬉しさが込み上げて涙が出そうになり目を閉じると目尻に溜まった涙をそっと吸われた。
なじんできた頃を見計らいもう大丈夫と声をかけると天理はゆっっくりと動き出した。まるで形を分からせるように、ゆっくり、そして優しく……ああ、俺の中に天理がいるんだ……
「っ……あぁ……」と小さく喘ぐと「気持ちいいですか?侯輝さん」と尋ねられた。
「うん、ぁ、はい、気持ちいい、です、あ、ん……あぁ……」
返事するとゆるく抽送が繰り返される。合間合間に好きだよ、愛してると囁かれながら、ゆっくりと、しかししっかりと感じる部分を刺激されて思わず甘い声で鳴いしまう。俺が反応をしめすと、嬉しそうに何度もでもやはりゆっくりとそこを攻め立てた
「っあ……♡あぁ…♡はぁっ…♡んぁっ…♡」
「可愛いですよ、侯輝さん」
その言葉にまた後孔が締まると「可愛い、可愛いぞ」とうっとりと呟き乳首にも舐めてチロチロと刺激を加えられる。気持ちいいが少しずつ、でもどんどん重なっていく。
焦れったい程に繰り返されるが確実に与えられるその快感と愛の呟きがこれ以上無いくらい体と心を震わせ、天理が全身全霊で愛してくれる事に対する嬉しさのあまり泣きそうになり視界がぼやけてくる。
「はぁっ、あっ♡天…理さん、はっ、あっ♡天理、あぅ、ああっ」
優しくも長く続くその奔流に頭がおかしくなりそうで必死で名前を呼びすがる。
「どう、しましたか?侯輝、さん」
「お願い、名前っ呼んでぇ」とお願いするとふっと笑って一度口づけると掠れてきた声を耳元囁かれた。
「侯輝、好きだよ、可愛い、愛してる、ずっと俺の側に居てくれ、侯輝」
心の底まで満たされるような気持ちが膨らむ、体中が熱い、溶けそうだ。
「俺も、好き♡天理♡あ、ああああ!!」ビクビクと体を痙攣させて白濁を放つ、同時に体内に温かさを感じると天理に抱きしめられた。
「侯輝、大丈夫か?」
しばらく抱き締められたあとゆっくりと天理が引き抜かれる。今まで感じたことが無いような感覚に身も心も包まれて震えていると、天理が涙を拭いながら心配そうに覗き込んできた。
「だっ、だいじょうぶ。へーき」
「なら、良かった…」
俺の汗に濡れた髪を撫でながら、天理が額にキスをする。なんだかいつもより照れてしまう。
「ありがと♡すごく気持ちよかった」
「それは良かった」
ほっとしたように微笑みながら頭を撫でてくれる手が気持ちいい。
「ねぇ天理の方はどんな感じだったのか教えてよ。多分天理なりのやり方を試してたんでしょ?」
いつも自分が天理を激しく抱いている時とは全然違う方法が天理の導き出したやり方の一つなのではと思いあたった。俺はもちろん良かったし、前だけでイキにくくなってた天理が二回もイケてたから悪くはなかったはずだけど。
「う…あんだけ言ってくれたのに往生際が悪いって思わないか?」とバツが悪そうに目線を反らせた。
「そんな事無いよ。何にだって挑戦は必要だよね。天理に向いてる方法だって思ったし俺じゃがっついちゃうからさ。俺、まだぽかぽかしてるよ」にこっと笑うと顔を赤くした天理に「ありがとな。うん、やっぱりお前がいいって言ってくれるのが一番だ」と微笑まれた。
俺を気遣ってくれた事は分かっていたし気持ちよくなれたし何より心が破裂しそうなぐらい満たされたから満足だよ天理。もうこの先何があったって平気な気がしてくるくらい幸せなんだよ俺。
「……あのな侯輝…」天理が何かを言いたそうに逡巡した後、俺の顔を見て迷いを捨てたように引き締めると俺の手を取り絡ませた。
「侯輝、昨晩言い損ねていたかもしれないからもう一度言わせてくれ、俺は頼りないかもしれないが、ずっとお前と共に在りたいと思っている事だけはどうか忘れないでくれ」
願う様に手を握って告げると優しく抱き寄せられた。
「うん…うん。忘れないよ。……えへへ、なんだかすっかり天理に励まされちゃってるね俺」
「……お前が今まで頑張り過ぎてただけだ。お前が支え合おうって言ったんだろ?俺だってお前を助けたいんだからな」天理はまだ知らないはずだ。いつか離ればなれになってしまってももこの思い出だけで俺は生きていけるようなそんな気がしたんだ。
「ありがとね……」
天理は俺を強く強く抱き締めてくれた 。
[newpage]
以下ボツ稿。三人称視点。ナースプレイ前まで流れ(残念S天理)はおおよそ同じ、メンタルが同居後結婚前、侯輝未準備。腸洗浄有り。
「それはダメだ」
「え?」
受け身Sだった天理が侯輝のお願いをはじめて否定した。侯輝はここにきて初めてドキドキし始めた。
「じゃあうつ伏せになって腰を突き出しな」
天理は侯輝と違い体力のない自分では下から突き上げるのはしんどいだろうと後ろからする事にした。
「はい?」
「早くしろ」と静かに言うと尻を思い切り叩く。
「痛っ!」叫びながらも天理にやっとスイッチ入ったとちょっと喜ぶ侯輝。
「ほら、もっと突き出せ」と変わらず静かに命令しながら再び叩く。
「あっ!こう、ですか?」少し赤くなった尻を突き出してみる。
「ん、よくできたな。ちょっと待ってろ」と尻を撫でると席を少し外し、お湯の入った後ろの洗浄器具と桶を持ってきた。
「えっ!ウソウソ!ここでやるの!?」
念のため下にタオルを厚く敷く。ローションをつけ侯輝の後ろを丁寧にマッサージすると「さっ洗うぞ。息吐けー」と尻の下に空桶を置いて洗浄器具をゆっくり突っ込んだ。
「わぁっ!!やめて!っください!」と顔を真っ赤にして暴れるが拘束具で動けない。天理は静かに「怪我するだろ動くな」と言うばかりである。
「もう、やだっ!抜いてっ!くださっ!!」と半泣きで叫ぶが「すぐ済むから」と取り合わない。腹の中に水が貯まると洗浄器具をゆっくり引き抜く
「はい、中の水出せー」
「うわぁん…恥ずかしいよう…」と半泣きで中の汚水をジョロジョロと吐き出す。これを数度繰り返した。
「うぅ…」とぐずっている侯輝に身を乗り出して近づき、頭を優しく撫でながら、優しく「な?人前でやると恥ずかしいだろ?でも頑張って偉かったな。あと少し頑張れるか?」と聞くと小さくコクンと首を振る。
以前天理にやって真っ赤になっていた時の気持ちをようやく理解した侯輝だった。
天理は桶を片付け戻ると、ローションを自分の指にたっぷりつけ侯輝の後ろの穴にゆっくりと入れた。まず一本入れ中を探るように動かすと、ある一点を掠めた瞬間
「ひゃあっ!!!」と悲鳴が上がる。
「ここだったか?」と聞いてみると何度も首を縦に振る
「そうか、わかった」と呟くとそこを中心に攻め始めた。
「前より感度上がったか?」と聞くと「言わないでくださいっ」と涙目で答えてきた。
「お前でも恥ずかしいんだなぁ」と苦笑しながら指を更に増やす。
「ふあああ……ダメです、それ以上されるとイっちゃいます!」
「…なんでいきたくないのか言ってみな?」天理は手を止めると真剣な表情で聞いた
「あ……あの俺も、天理…さんのでいきたい、です。だからおねがいします」と消え入りそうな声で答える
「うん、いい子だ。じゃあご褒美あげような」と侯輝の後孔に己の中心を当てがうとゆっくりと挿入した。
「あああっ!!」天理は後ろから片手で擦るように抱き締めると、久々に挿入した侯輝の後ろが馴染むのを待つ。後ろから耳元で「大丈夫か?」と聞いた。
侯輝は貫かれながら結局どこまでも酷くしきれない天理が愛しくて仕方がなかった。
「はい、動いて下さい。お願いですから」と懇願する。
「もう大丈夫か?痛かったら言えよ」と言いつつ動き出す。最初はゆるやかな抜き差しを繰り返し、次第に速く深く突く。
「あっ、天理さん、天理さぁん、好き、好きです、大好き、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん」と突かれる度に狂った様に名前を呼び続ける。
「…こっち向いてくれ、侯輝」と少しだけ辛そうな声で振り向かせると口づけをする。舌を差し込み絡め合う。「俺も好きだ、侯輝」と耳元で囁きさらに激しく腰を動かす。
「天理さん、もう、だめ、いく、いっちゃう、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さん、天理さぁん!」と叫び白濁を再度飛ばした。
天理は余韻に震える侯輝の後ろからキスをあちこち降らしながら囁いた。「上手に後ろだけでイケたな侯輝。気持ち良かったか?」と侯輝の頭を撫でた。
「うん…気持ち良かった」「素直ないい子だ。お前のお願い聞かないとな」とまた撫でた。「うん…」「『耳元で愛を囁いて下さい。俺が泣いて許しを請うまで』だったよな?」と言いながら一度起き上がり上着を脱ぎ捨てた。「え…?」
天理は前だけでイキにくくなっていた。一発目は先ほど侯輝の口に出してしまっており、天理の胸や後孔を弄れる侯輝は今拘束中の身である。再び後ろから覆い被さって侯輝の耳元で囁いた。
「ちょっと俺がいくまで付き合ってくれ、ちゃんと…愛は囁くから」と耳たぶをしゃぶり軽く噛んだ。「んっ!えぇ!!」SMプレイの本番はむしろこれからだった。天理は再び侯輝のいい所めがけて注挿を開始した。ぎりぎりで演技を続けながら嬌声を上げる侯輝に、天理は更に耳元で快楽を煽りながら心からの愛を囁く。侯輝はドライで何度も達せられ、体への快楽と、そして胸が締め付けられるような天理の囁きに溺れそうになった。共に汗だくになりながら、侯輝が何度も達し、いよいよ辛くなってきて泣きながら演技を忘れて「天理!」と叫び達すると、ようやく天理は侯輝の中へ達した。
余韻を収まるのを待ち、まだ天理が荒く息をし待ちながら侯輝の拘束具を解いていく。侯輝はやっと横になって寝られた。下半身が自分の物じゃないかの様に痺れる。残る余韻に浸りながら汗と涙と精液まみれの体を天理に清められ、水を含まされると、自身はおざなりに拭いただけの天理が力尽きた様に侯輝の横に倒れ込んだ。
「俺が言うのも何だけど…大丈夫?天理」
天理の2回目は正直無謀だったと思わざるを得ない。どうにか達した直後は長距離を全力疾走した様に荒く息をしていたが、使命感でどうにか最低限侯輝の世話をする事ができた。
「なんとかな…よもや抱いたやつに言われるとは思わなんだ…お前は平気か?」と侯輝の方に横を向くと頭を撫でた。
「まだちょっと痺れるけど何とか。少し休んだら動けそうかな」撫でられ気持ちよさそうにする。
「体力本当に凄ぇな…俺多分明日筋肉痛だ。ちょっと休ませてくれ、風呂入れるから。流石に俺も入りたい…すまんな俺の方はどうにも締まらなくて」
「気にしないで。天理頑張ってくれたんだし。それに……」手を伸ばし天理の頬に手を当てた。「俺は幸せだよ。好きな人にこんなにされて。だから謝らないで。ありがとう、天理」と優しく微笑む。
その笑顔がとても可愛くて、嬉しくて「…こっちが抱いてる時まで俺を泣かしにくるなよ」と顔を少し赤くした。