11.ちょっとだけ流された

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天理は侯輝に連れられ客間のベッドに座らされると抱き締められた。
「すまん。お前を裏切るところだった」侯輝の首筋に顔を埋めながら謝罪する。
「土護兄に話は聞いたからもういいよ。まったく天理の甘いところにつけこむ様な事するんだから」
「反省してる」
「もう俺がどれだけ嫉妬深いかも独占欲が強いのかも知ってるでしょ。それなのにもう」
「ちゃんと、分かってる。だから…すまん」
思いつめたような表情で許しを待つ天理を強く抱きしめ、口づけをするとようやく少し強張っていた身体が弛緩した。
ちゃんと分かっていて、それでも親友の願いを叶えたいと身を差し出してしまう性分なのだと改めて実感する。あとで泣くのは自分だというのに。
もう天理が自分だけを愛してくれているのも分かっている。故にどんな気持ちで触れられ続けていたのか想像に容易い。実際兄から聞いたその様子は目も当てられない程ひたすら耐え忍んでいたという。途中で止める事ができたのは自分への想いだった事が唯一の救いか。自分の存在が無かったら、想いが通じ合っていなかったなら、と思うと背筋が凍りつく。
この人を何があっても守らなければ。
不安を取り除き安心させてあげる為にも、今日はうんとお仕置きしなければと決心する。自分がどれだけ俺に愛されているのかを。
「もう。じゃあお仕置きね。どれくらい土護兄に流されたか言って」
「胸揉まれたくらいだよ。キスもなし、触られただけで、最後まではされてないから…」
「どこされたの?上書きするから全部言って」と天理の服を脱がし、胸を揉むついでに飾りも弄られる。
「っ…あとは首筋と背中と………」
侯輝は天理の言うその全てをなぞり隅々まで検分してキスマークはついていないことにはひとまず安堵した。
「んっ…」
天理は侯輝の手と唇で自らの体をなぞられ、少しずつ震えながらこの体が侯輝の手で無ければ悦ばないと確認すると安心して頬が緩むのを感じていた。
「何、笑ってるの天理、今お仕置き中だよ、分かってる?あとはどこ?」
「ん…後ろの」
「触られたの!!」
「寸前まで。何も入れられてない」
「ホントに?」
「本当だ」
「事情は聞いたけど、もう土護兄にそこまで許さないでよ」と腰を上げさせパンツごとズボンを脱がす。前から抱き締めて後ろまで手を滑らせソコに触れる。
「っ…すまん」
「ここは触られてないね?」と天理の緩く立ち上がりかけた中心に触れる
「ん…、な、い」
一通り兄にされてしまった事の検分は終わっただろうか、天理は自分に嘘はつかないし、概ね兄に聞いていた事と一致するので、そうだという前提の行為でなければ、思いが通じる前に自分が天理に施していた、天理曰くちょっと過度なスキンシップと大差ない程度だった。ただ例え誰であっても天理に触れられたくない。上書き行為の最中、天理が触れ感じている行為の合間、何やら笑っているのが少し気になった。もしかして比べられている?
「土護兄のこと思い出したら感じてきたんじゃない?」いいながら一旦離れ自身も服を全て脱ぎ捨てる。
もう天理が自分の事が一番だと思っていると分かっていてもついそんな事を言ってしまった。
「そんなわけあるか。お前じゃなきゃ感じない」
むっとしながら少し顔を赤らめそう言う天理が愛おしくて堪らなくなり抱き締める。
「もう、煽らないでってば、お仕置きじゃなくなっちゃうじゃん。じゃあなんで笑ってるの?」
「え?ええと、だから…言ったろ?お前でないと感じられないんだなって思ったら…嬉しかったというか」
少し照れ笑いながら目を伏せ言われた内容を心で反芻しているとつられて自分の顔も赤くなるのが分かる。世界一愛してる人に身も心もお前のモノだ、なんて言われて喜ばない奴がいるのか!!普段自分自身でさえ理解しきれていない所がある天理はなかなか愛情表現をしてくれないが、突然無意識に爆弾を落としてくるから困る。
「?…!今物凄い恥ずかしい事を言った気がする」顔を赤くした俺を見てようやく気づいたのかうわぁと真っ赤になって慌てて逃げ出そうとするが当然逃がす訳もなくぎゅうぎゅうと抱き締めると大人しくなった。
「うん、最高に嬉しいよ、ありがと。もっと言って欲しいけど今は我慢するね、続きしようか?」
「ん…。あと、俺もしたい」
「じゃあ俺のも触って」
天理の申し出を嬉しく思いながら天理を胡座をかいた上に座らせ対面座位になるとお互いのものを昂め合う。
天理は既に大きくなっている侯輝のそれを大事なものに触れる様に握り上下に動かす。コツを掴むのが上手だった天理の手は気持ちよくて直ぐに達してしまいそうになる。
「ん…ぁ、天理、俺のと一緒に擦っておいて、解してあげる」
天理の中心を天理に預け、天理の後ろに手を伸ばす。準備してくれてあったのか指は抵抗なく沈んでいった。
「ん、ぁぁ……。お仕置きで、最後までやんのか?んっ」
天理は体をゾクゾクと震わせると声が少し掠れはじめてきた。
「ん…覚悟して準備してくれたんでしょ?ダメ?…んは、天理、そこ強く」
耳元でねだり囁くと後ろが締まって指が締め付けられた。そのまま解し進める。
「あっ……んぅ……あぁ……ふ、う、うん。…っ…」
天理は徐々に感じ入りながら時々手が止まりつつも一生懸命扱ってくれている。
「ぁ…いいよそこ。天理も気持ちよくなってきた?ここ、好きでしょ」
天理の前立腺を強く押すと指が折れるかという程締め付けられた。
「っあ!随分っん!気持ちいい、お仕置きだな?」
大分息も荒くなり、確かに気持ち良いのだろう、目には薄く涙がたまっている。
「っは、ちゃんとお仕置きしないと、また襲わそうになったら困るでしょ?」
興奮する天理の姿に自分の息も荒くなっていくのを感じつつ、更に指を増やして中を広げていく。
「っは……なん、だそれ、甘い、鞭って?んっ」
もうそろそろ話すのも限界に近いのだろう、二人の中心を束ねる手はもうかろうじて握るばかりでほとんど動かず、自分の肩に額を押し付け、言葉は途切れがちになっていた。
「そうだよ、俺が一番だって、ちゃんと体で覚えてね。もういいかな。天理、腰上げて」「ん…」
十分に広がったことを確認し、挿入しやすいように胡座の上から天理を抱き上げ膝立ちさせる。見下ろしてくる顔は恥ずかしげにしながらも期待に満ちていた。腰に手を添えながらゆっくりと腰を下ろさせる。
「そう、そのままゆっくり降ろしてきて」
「ん。ぁ…ん…ふ…」
ゆっくりと天理の中に埋め込まれると自分に絡みつくような感覚が伝わってきた。
「全部入ったよ。天理。大丈夫?」
目を瞑り浅い呼吸を繰り返し少し耐えている天理を労る様に擦る。
「んっ、まだ、ちょっと待て」
「ん……分かった。このままでいるよ」
待つ間キスをすると天理も嬉しそうに応えるのを悦び深く交じりあう。
「ん……ふっ……んん…、…ちゅ……ぷは、優しい、お仕置きだな、も、大丈夫。動くぞ」
「ん、いつでもどうぞ。天理の中、凄い気持ちいいよ」
「ん。」その言葉に少し嬉しそうな顔をする。最初は探るように小刻みに、そしてだんだん大きく上下に動き出した。
「ん、っは、ぁ、は、はっ、っは、は」
「は、気持ち、いよ、天理」お互いが快感を得る為に動いているのだから当然と言えばそれまでだが、自分で快楽を求めてくれる姿に愛しさが込み上げる。
「っは、く、俺、も」
「ああ、ね、天理、もっと声出して、我慢しないで」
「声っ、押さえ、ろって、言われ、たろ」聞こえるかも分からないが反省中の土護に聞かせるのもお仕置きの内なのか?と問うように言う様は、嫉妬心を呼び起こされた。
「もうっ!土護兄の事言うの禁止!」お仕置きとばかりに強く突き上げる。
「ひっ!!つっ!ちょ、強っ、ん!あぅ」
「天理が、悪いんだもん。俺の天理、なのに」
天理がその強さから逃げようとすれば腰を押さえ逃げ場がなくすと叩きつける様に突き上げる。
悲鳴の様な嬌声を上げ、その強い刺激に堪え、侯輝にしがみ付き喘ぎながらも天理は必死で言葉を紡いだ。
「もっ!ばかっ!全部っ、お前、のだっ、侯輝、好きっ、だっぃ、好きっ、愛してるっ!」
その言葉で一気に頭に血が上り、強く抱きしめると引き寄せて噛み付くように唇を重ねた。
「んぅっ!!」
「っぷはっ、俺も、好き、天理、愛してる、天理っ、天理っ、天理っ」
何度も名前を呼び、揺さぶる。天理はもう喘ぎと名前を呼ぶしかできない。再び天理も合わせるように腰を動かすと二人の興奮が加速する。
「あっ、んぅ、侯、あっ、うあ、あ、あ、侯、侯輝、一緒、イっ、ああっ」
自分を抱き締める腕に力が籠り共に絶頂を迎えたいと請われると、強く抱きしめ一層突き上げを早く強くした。
「うん、うん、一緒に、イこ、天理、天理!ああ!」
「あっ!ああっ、あ、イっ、侯、侯輝!!」「あああっ!天理!!!」

天理が絶頂を迎え強く収縮すると同時に中に熱い精を放つ。天理がビクビク震えているのが伝わってくる。力の入らない天理を支え、しばらく抱き合ったまま余韻に浸る。まだフワフワした状態だったが、ようやく天理の息が整ってきた。
「大丈夫?」
「ん…まだちょっと、立てない、かも…なぁ、お仕置き、終わったか?」
苦笑しながら問われると、まだ中に入ったままだったのでピクッと反応する。天理はその変化を感じとり、ふはっと笑った。
守りたい人が笑って腕の中にいる。自分の心が満たされる。だけど、この繋がりでどれだけこの人に安心させられる事ができただろうか。また我儘な欲望を叩きつける様な事をしてしまって結局自分が慰められてしまった。
いつも愛している事だけは全力でぶつけているつもりだが、どれだけ俺に愛されているのかを知って貰えただろうか。
そう思いながら抱きしめていると、慈しむ様に頬を撫でられた。
「ありがとな。いつも想ってくれて。ちゃんと知ってるよ。俺もお前の事好きだから。不安になるなって言っても難しいだろうけど、それでも俺はずっとお前の側にいるから。だからそんな顔すんな」
微笑みかけられて思わず顔が赤くなる。伝わった事、受け入れてくれる事が嬉しくて。もう幾度も交わって、もうすぐ結婚すらするのにまたドキドキする。幸せだ。
「俺もだよ」言葉に出ていたのだろうか、見上げると幸せそうに微笑む天理の顔があった。

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